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第8回 ─ ノラ・ジョーンズからphatまで--活力を取り戻した「Jazz」

第8回 ─ ノラ・ジョーンズからphatまで--活力を取り戻した「Jazz」(2)

連載
Sonically Speaking
公開
2003/03/03   18:00
更新
2003/09/01   18:27
テキスト
文/キース カフーン

女性ヴォーカリストの大躍進、DJによるジャズの発見

 まずはノラ・ジョーンズ。彼女は素晴らしい。ブルー・ノート・レーベルから昨年2月に発売されたデビューアルバム『Norah Jones』は、アメリカ国内で300万枚のセールスを記録し、この原稿を書いている時点の米チャートでも依然2位を維持している。このままグラミーなんて獲ろうものなら、その衝撃は計り知れない(2003年2月18日付け)。アルバムそのものは、いわゆるラジカルな内容ではないが、その新鮮でリラックスできる親しみやすい曲は、ジャズの枠を越え、幅広い層の耳に届いたのである。ジャズ界で次に来るのは、

・アーティスト本人、あるいはバンドメンバーと作曲している
・ブルースやカントリーの色を帯びた楽曲を奏でる
・テキサス出身でインド人家系の若い女性

上記3つの特徴を持ったアーティストではないかと言われている。彼女はその3つの条件を全て満たしているのだ。彼女同様、限られたジャズの客層を超えたリスナーを取り込んだアーティストの中には、ダイアナ・カール(Diana Krall)、カサンドラ・ウィルソン(Casandra Wilson)、キティ・マーゴリス(Kitty Margolis)らがいる。日本人ではアキコ・グレースとフライド・プライドにも感銘を受けた。もちろん、女性ボーカル以外にも、興味深いアーティストは多くいる。70代に突入してなお現役のジミー・スコット(Jimmy Scott)とマーク・マーフィー(Mark Murphy)も、幾年にも及ぶ「不明瞭区域」で苦労してきた甲斐もあり、これまで以上に幅広いリスナーからの脚光を浴び始めているようだ。

ジャズにとって、何が健康的かというと、若い世代から再び注目を浴び始めたことである。これにはさまざまな要素が起因しているが、中でもDJ ジャイルズ・ピーターソン(Gilles Peterson)が生み出したアシッドジャズと、イギリスの音楽誌「Straight No Chaser」の貢献が大きかったのは言うまでもない。ピーターソンとStraight No Chaser誌は、どちらもグラント・グリーン(Grant Green)、ジミー・スミス(Jimmy Smith)、ルー・ドナルドソン(Lou Donaldson)、ブガルー・ジョー・ジョーンズ(Boogaloo Joe Jones)といったアーティストを取り上げ、ジャズに影響を受けているアーティストを積極的にプッシュしていたのだ。その中には、ジャンルの枠を越え、多くのリスナーにアピールしてきたジャミロクワイやマッシブ・アタックなどが挙げられる。Straight No Chaser誌は、Mondo Grosso、DJ KrushやKyoto Jazz Massiveなどといった日本人アーティストにまで着目している。ジャズのみでなく、幅広い視野を持って音楽を支持してくれている雑誌、Wired誌やJazzwise誌にも敬意を表したい。

▼ 文中に登場したアーティストの作品をご紹介。

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