King Gnu、2020年上半期No.1アルバム『CEREMONY』リリース後初のワンマン・ライヴを配信

Photo by Kosuke Ito
King Gnuがバンドとして初となる配信ライヴを実施した。2020年1月15日に発売された最新アルバム『CEREMONY』は、オリコンやBillboard JAPANをはじめ、上半期アルバム・ランキングで第1位を記録し大ヒット。
しかし、アルバムのリリース後に控えていた、初のアリーナ公演を含む全国ツアーは新型コロナウイルスの影響で開催が見送られ、実質的に今回の配信ライヴがアルバム『CEREMONY』リリース後、初のワンマン・ライヴとなった。
なお、今回の「Streaming Live」は2020年9月1日24時までアーカイヴ公開されている。
King Gnu、初の配信ライヴはライヴ・バンドである魅力をストイックに追求した生々しいほどにロックな圧巻のステージとなった。本来であれば、最新アルバム『CEREMONY』を引っ提げ、バンド最大規模となる全国ツアーだったこともあり、メンバーやスタッフが本公演にかける熱量は並々ならぬものがある。
オープニングは会場外の映像からはじまった。まるでライヴ会場に訪れたような雰囲気。フロアは暗めでぼんやりと明かりがあるような状態。メンバー名が表示される、映画のようなクレジットが高揚感を高めてくれる。そんな緊張感あふれる雰囲気のなか、1曲目からアッパーチューン“Flash!!!”のイントロダクションが突如鳴り響く。ライヴでより映えるビートの効いた“Sorrows”、跳ねるビートと甘酸っぱいメロディが感情をアップリフトする人気曲“Vinyl”が続き、一気にギヤがフルスロットルへ入る。
無観客であることを一切感じさせない没入感の高い濃厚なパフォーマンス。会場にはオーディエンスがフロアにいないこともあり、メンバーが互いに向き合いながら演奏するというスペシャルなスタイル。中心には、通常であればライヴ後方に置かれていたKing Gnuのロゴが光るモニュメントが鎮座する。次から次へと繰り広げられる、スキルフル且つ熱量の高いダイナミックなプレイ。主役4人の力量が凄まじいこともあり、まったく飽きさせないステージングに、画面越しにSNSで声援を送るオーディエンスたち。
ギターと鍵盤を自在に操る常田大希(Gt/Vo/Key)と、ピュアネスと混沌を併せ持つ井口理(Vo/Key)によるツイン・ヴォーカルの高揚感。安定のテクニカルなプレイを解き放つ新井和輝(Ba)、ダイナミックなビートを展開する勢喜遊(Dr/Sampler)による圧巻のサウンドが繰り広げられていく。中盤、俳優としての活躍も目覚ましい井口らしさが映える“傘”、“It's a small world”とシアトリカルなナンバーを挟み、グルーヴィに疾走するファンキーな“Overflow”、昨年の音楽シーンを代表する国民的楽曲となったメロウにたゆたう“白日”が続く。
MCでは、ライヴの凄みとはギャップある、彼ららしいわちゃわちゃとした雰囲気が魅力だ。柔らかなトークが繰り広げられていく。お互い向き合ったステージは、アイコンタクトがしやすいなど発見もあったようだ。
後半戦は、まさにKing Gnuの独壇場だ。どんなバンドにも真似ることのできない、ずば抜けたドープさを発揮する“Prayer X”、“Hitman”、“The hole”で解き放つ、妖しくも危険な、極限までにピュアな美しさを空間いっぱいに解き放つ。
現時点でのベスト選曲で展開されていくセットリスト。ステージ上に配置されたメンバーを狙うカメラやレール、クレーンを使った躍動感溢れるカメラワーク。ハンディ・カメラを駆使し、通常のライヴでは撮影できない距離感でのシーンなど、絵作りにかけたこだわりは鳥肌ものだ。天井から吊るされたカメラによる、4人を俯瞰するシーンも斬新だ。
オーラスへのスイッチが入ったのが、King Gnuらしさ溢れるテーマ・ソングのようなナンバー“Slumberland”だ。そして“飛行艇”、“どろん”というヘヴィ且つ、画面から飛び出してきそうな勢いを感じさせるライヴ感ある楽曲たち。
ラストは、キラーチューン“Teenager Forever”の登場だ。甘酸っぱい高揚感を開放感あるギター・ポップ・サウンドによって解き放つ魔法めいたポップ・ソングに、オーディエンスは解放されていく。
無観客であっても、画面の向こうにいるリスナーと時間軸を超えて繋がれるのがKing Gnuライヴの凄みだ。ミュージック・ビデオのイメージから楽天的な雰囲気もある“Teenager Forever”だが、実はシリアスな人間関係を匂わせる歌詞フレーズに着目したい。音楽ありき。人生は一度きり。一期一会なロック初期衝動が、久しぶりなライヴ・パフォーマンスとしてこれでもかとパンキッシュに炸裂していく。ラスト・シーンは、ステージ上に火花も上がり、井口による「画面の前のみなさん、ありがとうございました!」の一言で終了した。
King Gnu=ヌーの群れは、混沌という知性にポップという名の秩序を与え、仲間を巻き込みながらもっともっとでかくなる。2020年の夏、King Gnuの大いなる旅はまだまだ続いていく。そんな決意表明のようなライヴだった。
文:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)







Photo by Kosuke Ito
カテゴリ : タワーレコード オンライン ニュース
掲載: 2020年08月31日 18:30








