黒い霧に覆われた「The Source」の現状(from NEW YORK)
ヒップホップ・ジャーナリズムの草分け、「The Source」誌がトラブル続きだ。7月26日、同誌オフィスとは目と鼻の先にあるチェルシー地区のバーで発砲事件が発生し、3人ものケガ人が出た。容疑者となったのはソース・エンターテイメントの社長であるリロイ・ピープルズとマーケティング・ディレクターのアルヴィン・チャイルズ。いまのところ両者は容疑を否認しているが、口喧嘩を目撃した人がいることから、裁判の際には不利になりそう。ボストンのギャングスタ・ラッパー、ベンジーノが経営陣のトップに加わってからの同誌は、マイクの本数で決める有名なレーティングの信憑性が問われたり、エミネムを叩いて逆に訴えられたり、女性社員がセクハラ問題で上層部を訴えたり、報道する側よりされる側になることが増えている。ビーフ合戦、女性蔑視、ガン・ショット沙汰……と雑誌が悪い意味で〈ヒップホップ〉を体現してどーする、と突っ込みたくなる今日この頃。ベンジーノ自身は昨年にトップの座を退いているが、一度ついたマイナス・イメージを払拭するのは難しいかも。ヒップホップの黎明期から専門誌としてシーンに貢献し、〈Source Awards〉も軌道に乗っているだけに、ここで大幅に軌道修正をしてほしいところだ。 (レポート/池城美菜子)







