R.KELLY、疑問視されはじめたアノ事件
ニュー・アルバム『Happy People』のリリースを夏に控えているR・ケリーだが、例のセックス・ヴィデオテープの件もゆっくりと進展を見せはじめている。2002年の6月に起きてからすでに2年が過ぎているこの事件、大元のヴィデオの件はともかく、あとからつぎつぎと出てきた余罪が少しずつ片づいているなか、プロモーション活動に必要な州外へのアクセスも裁判所から許可された。昨年の12月に急浮上した、フロリダ州の自宅から見つかったとされる未成年者のポルノ写真の件は、入手方法が不法である可能性が高かったとして取り下げられたが、イリノイ州では似たケースにあたる21の容疑のうち7つが取り下げられただけで、8月16日には公聴会が開かれる予定になっている。このほか、〈当時、未成年だったのに性交渉を持たされた〉として、つぎからつぎへと告訴した3人の女性たちとは示談が成立している。これに関してR・ケリーは「本来、自分の無実を晴らすために彼女たちともきちんと法廷で争いたかったが、もっと大きなケースを有利に運ぶために必要だ、と弁護士に説得されて示談に同意した」と話している。〈もっと大きなケース〉とは、もちろん事の発端となった当時14才だったとされる少女とのセックス・ヴィデオテープの一件。すべてはこのヴィデオが本物かどうか、本人かどうかという一点にかかっている。広く流出して、かなりの人が観たこのヴィデオの真偽がいまだに判明していない理由は、まず警察に届けられた時点でコピーだったため、画像が不鮮明であること。肉眼でR・ケリーに見えたとしても、よく似たほかの人間である可能性(ちなみにR・ケリーはありがちな顔をしている)や、合成である可能性まで検討されている。また、ヴィデオのバックでかかっている曲が2000年のヒット曲で、98年から99年に起きたとしている検察側の主張と矛盾していることも取り沙汰されている。当時14才だったとされる相手の少女も、本人が「自分ではない」と証言しているのに対し、彼女の知人50人以上が「彼女である」との証言をするなど、迷走している印象も。最終的には、陪審員制度のもと、一般から選ばれた陪審員の判断で判決が決まることになるが、いましばらく時間がかかりそうだ。
なお、冒頭で触れたニュー・アルバム『Happy People』だが、現在のところ、アメリカ本国では8月10日、日本では8月25日のリリースが予定されている。