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MICHAEL JACKSON逮捕、これからどうなる?

 マイケル・ジャクソンが未成年者暴行の容疑で11月20日に逮捕された。被害者とされるのは白血病を患った13歳の少年。当日は逮捕状の発行を受けてマイケルみずからが警察に出頭。その場で逮捕されたものの、約3億円の保釈金を支払って1時間以内に釈放された。その後、マイケル側は〈全くの無実〉を主張、有名人の訴訟に強い弁護士マーク・ゲラゴスを雇って警察側と徹底抗戦の構えだ。

 93年にも同様の容疑でニュースになったマイケルだが(こちらは示談に持ち込んで解決)、今回も13歳の少年の訴えを受けて警察が動いたというもの。現在、少年の訴えの詳細は公表されておらず(供述書は45日間非公開)、93年の事件を持ち出したり、「今回は自信がある」というサンタ・バーバラ警察の思わせぶりなコメントを根拠にしたりして〈マイケル=性犯罪者〉と決めつけて断罪する保守派と、彼の無実を信じる家族、友人、ファンの〈意見〉だけでニュースが成り立っている異常事態となっている。警察側はマイケルに性的虐待を含む複数の容疑をかけており、もし有罪となれば最初の一件につき3年から8年、ほかの件で2年ずつ加算された実刑が科される。また、今回は民事事件でなく刑事事件として起訴されているので、示談での解決は有り得ない。さらに捜査の指揮を執るのが10年前と同じ保安官で、発言に個人的な感情が含まれていたり、マイケルのベスト・アルバム『Number Ones』のリリース日に合わせるかのように70人もの捜査官をネヴァーランドの家宅捜査に投入。その理由を「CDのリリースとは関係なく、その前はハロウィーンで忙しかったから」という不明瞭な理由で説明するなど不穏な動きを見せている。そんな動きに対してマイケル側は「容疑はデッチ上げであり、身の潔白は法廷で証明されるはず」とコメント、インターネット上に公式サイトを開設した。このサイトでマイケル側は警察側に対する反論を述べ、今後もウェブ上で事件に対するコメントを出していく旨を発表。「TVに出演している友人や弁護士などの言葉を信じないでほしい」とも書き記した。

 そんななか、マイケル・ファンは非営利組織〈ファン・ウォッチ〉を結成。メディアや捜査当局がマイケルを公正に扱うことを見守り、プレッシャーをかけていくのが目的とのことで、現在運営資金を募っている。また、今回の事件に対して兄のジャーメイン・ジャクソンは「現代のリンチだ」とコメントを発表。10年前にマイケルに不利なコメントをして家族から総スカンを喰らったラトーヤ・ジャクソンも今回は全面的にサポートしている。またメディアの過熱ぶりも凄まじく、マイケルがチャーターしたプライヴェート・ジェット機の会社が機内での会話を録画し、そのヴィデオをTV局が競って買おうと動いていたことが明るみに出てマイケル側が訴えるという一件もあり、今後、事件に対するメディアの対応も問題になりそうだ。なお、2004年1月から始まる調査と公判は数か月に及ぶことが予想されている。

掲載: 2004年01月05日 18:00

更新: 2004年03月17日 19:25