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インタビュー

スーパー・バンドは音楽シーンを救う?

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2011年09月21日 18:00

更新: 2011年09月21日 18:00

ソース: bounce 336号 (2011年9月25日発行)

文/出嶌孝次


スーパーヘヴィーの『SuperHeavy』は、久々にスーパー・バンドらしいスーパー・バンドの作品でしょう。最初に説明しておくと〈スーパー・バンド〉とは、言葉通りの〈スーパーなバンド〉という意味じゃなく、〈すでに成功した大物ミュージシャンたちが集まって結成したバンド〉というテクニカルタームなのでお間違えなきようヨロシク。

で、そのスーパー・バンド(もしくはスーパー・グループ)という名称自体は、アル・クーパーがマイク・ブルームフィールドとスティーヴン・スティルスを迎えて発表したトリオ作『Super Session』(68年)に由来するものと思われます。これはロック音楽がプレイヤーの組み合わせから生じるケミストリーを(ジャズに倣って)獲得しようとした試みで、もちろんそんな言葉が定着する前からクリームや、そのスティルスらが結成したクロスビー・スティルス&ナッシュ(+後にニール・ヤングも加入)、スーパー・バンドやダーティ・マック(ジョン・レノン+ミッチ・ミッチェル+エリック・クラプトン+キース・リチャーズ!)のようなセッション・バンドはいましたが、最初の〈スーパー・バンド〉として挙げやすいのは、そのクラプトンとスティーヴ・ウィンウッドら組んだブラインド・フェイスでしょう。彼らを皮切りに、60s後半〜70s前半にはエマーソン・レイク&パーマー、ベック・ボガート&アピス、バッド・カンパニーなどのスーパー・バンド結成がブーム化しました。これは時代の変革ムードも手伝った動きには違いなく、日本で結成されたPYGもこうした動きに呼応したものですね。(→こちら

80年代にはロバート・パーマー+デュラン・デュラン組+シック組のパワー・ステーション、ジョージ・ハリソン+ボブ・ディラン+ロイ・オービソンらのトラヴェリング・ウィルベリーズ、バーナード・サムナー&ジョニー・マーのエレクトロニックなどが登場するも、90年代にかけて全体的にそうした賑やかな現象は沈静化。が、そんな状況を経た2000年代半ば以降、トニー・アレン+サイモン・トン(ヴァーヴ)+ポール・シムノン(クラッシュ)を従えたデーモン・アルバーンの名無しバンドをはじめ、、チキンフットやティンテッド・ウインドウズ、ゼム・クルックド・ヴァルチャーズ、デッドウェザーなどのスーパー・バンドが増えてきたように思えます。ここにきて世代を超えてスーパー・バンドが目立ってきたのは、何かしらの閉塞した状況を打破したいという無意識の表れなのかもしれませんし、実際にリスナーにとっても新たな興味を喚起するものでしょう。だからこそ、『SuperHeavy』は小難しい理屈抜きで楽しまれるべきですし、トム・ヨークの率いるアトムス・フォー・ピースにもYOSHIKIのS.K.I.N.にも早く作品をリリースしてほしいものですね。


▼文中に登場したアーティストの作品を紹介。


左から、ブルームフィールド/クーパー/スティルスの68年作『Super Session』(Columbia)、ダーティ・マックの音源を含む68年録音作『The Rolling Stones Rock And Roll Circus』(Abcko)、ブラインド・フェイスの69年作『Blind Faith』(Polydor)、デーモン・アルバーンの2007年作『The Good, The Bad & The Queen』(Parlophone)、チキンフットのニュー・アルバム『Chickenfoot III』(Ear/Edel/WHD)、パワー・ステーションの85年作『The Power Station』(EMI)、トラヴェリング・ウィルベリーズの88年作『Traveling Wilburys Vol.1』(Warner Bros.)、ティンテッド・ウインドウズの2009年作『Tinted Windows』(S-Curve)、ゼム・クルックド・ヴァルチャーズの2009年作『Them Crooked Vultures』(DGC)、デッド・ウェザーの2010年作『Sea Of Cowards』(Warner Bros.)


 


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