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インタビュー

INTERVIEW(2)――さらに良くなることしか想像できない

 

さらに良くなることしか想像できない

 

サッズ_サブA

 

――しかし皆さんに接していていつも感じさせられるのが、〈本当にこれが数か月前に生まれたばかりのバンドなのか?〉ということ。何年もいっしょにやってきたバンドのような空気感があるんですよね。

清春「普通のバンドの数倍の濃さと速さで動いてますからね(笑)。バンドってものにメンバー・チェンジとかがつきものなのは、〈どういう方向性で行こうか?〉とかそういうところで温度差が出てくるからだと思うんですよ。価値観の違いとかね。ただ、いまのサッズの場合、そういう次元でモタモタしてる必要がないというか(笑)。僕自身にも迷いはないし、みんながそれぞれ得意なことをやってくれればこうなる、という成り立ちだから。だから躊躇もなければ、そこで自分を抑える必要もない。ある意味、表現されるべき音が、結果論から始まってるようなところがあるんです。〈こういうのをめざすためには、どうしようか?〉という次元にはいない。ライヴで出せてる音に十分すぎるくらい自信があるから、不安を解消するために何をすべきかを考える必要もない。逆に、もっとライヴをやればさらに良くなっていくことしか想像できないから、すごく精神的にも明るくあれる」

――確かに明るい。Twitter上での皆さんのやり取りを見ていてもそれは感じます(笑)。

清春「はははは! 変に深刻になるのも嫌ですからね。でもホント、いいキャスティングができたと思います。そもそも〈ヘヴィーな音にするためには?〉とかそういうことを重んじたわけじゃなく、単純に〈すごいバンド〉にすることしか考えてなかったんですけどね、僕自身は。それがすごくいい結果に繋がった」

K-A-Z「ちょっと大袈裟に言えば、これは奇跡的なメンツなんじゃないかな、と。俺自身もこれまでいろんな人たちとやってきたけど、メンバー同士が集まったときに、ひとつのアイデアがここまで広がっていくのも珍しいというか。日常的な話をしてるだけでもそうなんですよ。話題がどんどん枝分かれして、際限なく広がっていく。大概、1人くらいはノリの合わないやつがいるもんじゃないですか(笑)。でも、サッズの場合は違う。だからまったくストレスもないし」

クボタ「うん。そういう意味ではすごく精神的に健全なバンドだと思う」

GO「俺もそう思う。しかも清春さんが各々に任せてくれる部分も大きいから、俺たちの側も〈よし、ここはこうしてやろう〉とか、そういった発想が自発的に出てくるし」

K-A-Z「そう、そこが素晴らしい。曲を提示されて、それを覚えてきて演奏するんじゃなく、任されてるぶん、投げられたものに対してどんどん知恵を絞りたくなるというか。こうしてくれ、ああしてくれと言われるより、そっちのほうがずっと想像力も掻き立てられることになるわけで。しかもそこで気負ってしまうんじゃなく、自然に気合いが入るんですよ」

――それは、ライヴでも製作現場でも同じことですか?

クボタ「そうですね。この4人とスタッフが混ざったとき、なんか自然にいいムードになれるんです。そこで全員がサッズを楽しんでいるというか」

清春「なんかね、よく知らない人たちからすればミスマッチみたいに見えるかもしれないけど……なんかこの4人が集まると、異様に変な威力が発揮されるんです(笑)」

K-A-Z「はははは! でも、確かに異様かもしれない。最初に4人でいっしょに写真を撮ったときも、なんか不思議なくらい〈おお!〉と興奮するものがあったし、“EVIL”のPVを撮ったときもそう。あの撮影は武道館公演よりもずっと前なんですけど、現地でプレイバックを見ながら、自分たちのなかでも〈新しいサッズ〉がいっそうリアルなものになった感じがしたし」

 

カテゴリ : .com FLASH!

掲載: 2010年07月07日 18:01

更新: 2010年07月07日 19:27

インタヴュー・文/増田勇一