INTERVIEW(3)――泣くことはストレス発散なところがある
泣くことはストレス発散なところがある
――ところで、本作でいちばん鍵になってるとか、軸になってる曲はどれですか?
KAZ「それは絶対“Talk To Me―キミノモトヘ―”ですね」
――ひょっとしてアルバム作りで最初に取り掛かった曲なの?
KAZ「いや、最初は“Amanogawa”。まあ、“南の島”は10年前の曲のリメイクなので、それを外すとね(笑)」
NAT「今年で結成から10年を迎えまして。“南の島”は、当時、初めて作ったミディアム・チューンだったんです。言ってることもすごく若いんですけど、でも、初心忘れるべからずってことで。ライヴでやるとお客さんが好きって言ってくれる曲だったし、10年目ということでリメイクして入れたんです」
KAZ「でも、“Amanogawa”もすごく素敵な曲で大好きですね」
NAT「うん。あと、この“Amanogawa”ってローマ字で書いてるところが、結構、私、好きなんですよ。お洒落だなーと思って。静かできれいなキラキラしたイメージがこの曲にあるから、その感じが伝わるなって」
――“Naite”はロック調のサウンドが新境地ですね。
KAZ「そうですね。私、すごい泣き虫で、ワンマン・ライヴとかでも最後のほうになるとぐちゃぐちゃになってるタイプなんですよ。でも、泣くことって私のなかでストレス発散なところがあるんです。悲しいこととか、仕事とかで落ち込んだり、怒られたときも、シャワーをバーッと浴びながらウワーンって泣いてるときがあるので。そういうときのことを考えながら作った曲なんです。泣くことって全然悪くないし、泣いてすっきりしてまた前に進んでいこうよっていう曲ですね」
――では、自分たち的に曲作りのきっかけがユニークだったのは?
KAZ「それは“Bakusou Rida”ですね。これはもらったオケ(トラック)が、最初からサウス風のヒップホップ・ビートだったんですね。でも、サウスはこれまでやったことがなかったので、どういうふうに(フロウを)乗せようと思って。で、お経じゃないけど、一定の音程のフロウを乗せたいなぁと思いながらトラックを聴いてたら、ふと〈爆走ライダー〉って言葉が出てきたんですよ(笑)。私も最初、〈爆走ライダー〉はあんまりだな、と思いましたよ。言葉としてどうだろうと。でも、まあ、歌ってみたら、〈これはこれで、ダサかっこいいな〉みたいな。そのダサさを思い切ってかっこよく歌っちゃうっていうところがポイントですね」
NAT「でも、これは歌っててすっごく気持ちいいんですよ。〈おらーっ!〉みたいな感じで。〈これ、これーっ!〉って(笑)」
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