INTERVIEW(1)――ストロングなイメージをぶち壊したい
ストロングなイメージをぶち壊したい
――『ballad』とは、ダンスホール・レゲエからは想像しがたいアルバム・タイトルですね。今日はまず、その理由から訊きたかったんです。
KAZ「いままでのBROWN SUGARって、ストロングというか、強い女の子っていうイメージがあったと思うんですね。今回はまず、それをぶち壊したいなっていうのがあったんですよ。で、素の自分たちってどこにあるんだろうね?っていうところから、〈私たち結構弱い部分あるよね〉っていう話になって。そういう強さの裏側をコンセプトに突き詰めていって、今回のアルバムが出来たんです。で、〈バラッド〉というタイトルにしたのは、切ないとか、寂しいとか、叶わぬ思いとか、そういうものを歌にすることをバラッドっていうからなんですね」
NAT「そう、〈バラード〉と〈バラッド〉ってどう違うんだろ?って、いろいろネットで調べていて。そしたら、バラードのほうには若干ポジティヴな意味合いも含まれてるみたいで、より寂しげなニュアンスがあるのが〈バラッド〉だったんです」
KAZ「だから、弱さを知ってさらに強さを手に入れるというか。弱さをちゃんと自分のなかで認めて前向きにいきたいっていうメッセージがたくさん詰まったアルバムになってますね。そうそう、あと、ウィキペディアで〈バラッド〉を調べたら、2羽のカラスの絵もあって」
NAT「で、衣装も黒いカラスをイメージして羽を付けてるんです(笑)」
――そういう新しい挑戦をしたアルバムを作るにあたって、作業面でも変化はあったんですか?
KAZ「めちゃめちゃありましたね。いままではプロデューサーから音がきて、それに私たちが歌詞を乗っけてっていうスタイルが主だったんですけど、今回は曲(トラック)が出来てから、まずそこに(別のソングライターの)仮歌が入って、そのメロディーに対して私たちが歌詞をつけて、さらに作詞家さんに手直しをしてもらうっていう。全曲がそうじゃないですけど、たとえば“Talk To Me―キミノモトヘ―”の場合は制作に4人関わっていて。いままでは自分たちでメロディーも作っていたのでかなり新鮮でした」
――あと、今回は客演ゲストがいないんですよね。
KAZ「そうなんですよ。今回は気が付いたらゲストがない状態で出来上がっていて(笑)。自分たちのすべてを曝け出したいっていうのがあったし、等身大のBROWN SUGARをもっと身近に感じてほしかったんですよね。それで全曲2人だけで歌っちゃったのかも」
NAT「いままで弱さっていう部分を見せたことがなかったから、歌詞の内容だったり、曲調だったりで、これまでとすごく変化がついたので、違和感なく自分たちだけで出来上がっちゃったっていうところはありますね」
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