INTERVIEW(1)――ひねくれないっていう新しい挑戦
ひねくれないっていう新しい挑戦
――新作『Sex on the Beach』、本当に最高です!
3人「(揃って)嬉しい(笑)! ありがとう!!」
――前作『あっ、海だ。』の時は〈現時点における史上最強のつしまみれが詰め込まれている〉みたいな原稿を書いたんですけど、見事に更新されていて。
みずえ(ドラムス/コーラス)「良かった(笑)」
――そんな新作の話の前に、なんですけど、先行シングル“ストロボ”があるじゃないですか。あれがまた、つしまみれとしては〈キャッチーであること〉に挑戦した曲だと思うんですね。
3人「はい」
――そこにバンドのスタンスの変化が見られるな、と思っていて。まずは、“ストロボ”の話から聞かせてもらえれば。
まり(ヴォーカル/ギター)「なんか、(メジャー・)デビュー・シングルの“タイムラグ”で、いわゆるキャッチーじゃない曲、ゴリ押しなロックでどこまで行けるか、ってことに挑戦して、『あっ、海だ。』っていうアルバムも出して。それについてきてくれたお客さんたちは肌で感じることができたから、次はもっと、つしまみれにまったくご縁がない人たちにも聴かせたいと思って。それには、私たちの〈キャッチーへの挑戦〉っていうか、〈ひねくれないっていう新しい挑戦をしてみようか〉みたいな」
――逆に(笑)。
まり「逆に(笑)。なんか、いままでは〈ストレートに言ってる人ばっかりじゃん〉って感じでそういうことは言わないようにしてきたけど、いろんなことをやってきた自分らが、あえてストレートに恋を歌ったらどうなるか、と思って。すごい挑戦でした。何度、途中で変拍子になろうとしたか(笑)。テーマは〈思春期の告白〉ぐらいな感じで、爽やかに駆け抜けていく、だけど切ない恋、みたいな。で、いままでつしまみれの世界にまったく興味のなかった人が“ストロボ”で〈あっ、いい曲だなー〉って近付いてきたとこに、このアルバムっていう(笑)」
――〈あれ?〉って(笑)?
まり「そう。〈あれ?〉みたいな(笑)。こんな世界あったんだ、みたいなことになればいいなーって思ったり」
――まあ、ビックリはすると思いますけどね。“おばあちゃんのブラジャー”とか、凄まじいですからね(笑)。
まり「みんな大好き(笑)。“おばあちゃんのブラジャー”」
――それは好きになりますよ。この曲も、ある意味でキャッチーじゃないですか。なんと言うか、ヘヴィー・メタルやハード・ロックとかの。
まり「うん」
――いわゆるネタ的なわかりやすさが。
まり「うんうん」
――入ってるどころか、さらに強調されてますからね。だからポップでもあるし。
まり「コテコテのハード・ロックとかって、そうだよね。ある意味わかりやすいよね。そうかもしれない。今回は各曲に関して、いままで以上にその方向で振り切ってみよう、っていうのはあって。だから“おばあちゃんのブラジャー”だったら、とことん〈BURRN!〉に載ってそうな感じで(笑)、ハイトーン効かせて、とか(笑)、ヴィブラートみたいなのとか(笑)。あと、この曲はロックで、とか、ガレージっぽく、みたいなのとかは、音も、歌詞も、その世界に没頭しようみたいなのはあって。だからそれがよく出てるのかな。“ストロボ”はめちゃポップになったし」
――それぞれ狙っている方向性があって、そっちに突き抜けた?
みずえ「よりわかりやすく、シンプルなほうに、みたいな感じになってるのかな。だから、ハード・ロックのコテコテっぷりみたいなところだと、〈次これ、絶対ギター・ソロくるだろうな〉みたいなのが、そのジャンルが好きな人はわかる、みたいな(笑)。曲を知らなくてもキメがわかる(笑)」
まり「そうそう。知らない曲でもなんかノリノリになっちゃう。“J-POP”とかも、みんな初めて聴かせた時から拳をあげて〈J-POP! J-POP!〉って言ってて、〈みんな、わかってるじゃん〉って思って(笑)。“ストロボ”も、〈ベ~イビ~♪〉って言ったら手、挙げてる人いるし。“J-POP”は中盤(の展開)でみんなが〈えっ〉ってなるんだけど、まあ自然にね、みずえが煽ってこう(手を左右に振る仕草)なったりして(笑)」
――うん。そうですね(笑)。
まり「わかりやすさの提示をしてるから(笑)。手拍子しろ、とかね(笑)」