さまざまな音楽に通じたブレイクビーツ・マエストロ、DJ KENTとKZAのキッチンを勝手に想像
さまざまな音楽からの影響を……っても、〈テクノ聴いてて、テクノをくっつけてみました〉みたいなありがちでサムい話ではない(最近、ホントにそういうのが多すぎますよね!)。FORCE OF NATURE(以下FON)の作り出す音楽の素晴らしさとは、いろいろなものが煮込まれてるはずなのに材料とか調味料が特定できない料理に近いものです(ついでに言えば、それが〈ウマい!〉のひとことで片づけられるところもね)。彼らはヒップホップの手法を用いながらも、より形容不能で、シンプルに美味い音楽を生み出しているのです。
で、その調味料を勝手に想像してみると……DJシャドウの大胆なコラージュ技法にもシンパシーはあるだろうが、FONのしなやかな八分目の練り込み具合にインテリ臭さは皆無。そこから臭みを取ったのは、テクノやハウス──イジェット・ボーイズなどいわゆる〈ニュー・ディスコ〉と呼ばれる新しいUKハウス、さらにニューウェイヴ風の手触りで繋がるブロック16らニューフォニックの音──かも知れない。それをヒップホップの枠内で強引に捉え直せば、フランスのDJメーディ、それをもう少しインテリ向けに戻すとDJファントムにも通じるサウンドになる? また、KZAがハマッているキングピン・スキニー・ピンプなどメンフィス産ヒップホップのダークでカオティックなエキスがどんな形で表れているのかも興味深い。しかしながら、最初に書いたように、アウトプットはあくまでもFONの味。『the forces of nature』でどれだけ凄いことが成されているかは推して知るべし。〈さまざまな音楽からの影響を……〉とかいう言い方は、こういう作品に冠せられるべきなんです。
イジェット・ボーイズのニュー・ディスコ・ミックスCD『Solid Session Vol. 2』(Session)
DJファントム『Connexion』(Intuitive)
キングピン・スキニー・ピンプ『Pimpin And Hustlin』(Rap Hustlaz)
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