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インタビュー

クレイジーケンバンド(3)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2002年08月08日 18:00

更新: 2003年02月10日 14:50

ソース: 『bounce』 234号(2002/7/25)

文/フミ・ヤマウチ

パンクから派生した心地良い音楽

その〈濃さ〉こそCKBの魅力の最たるものなのだが、その一方で、洗練された音楽性というのも重要。一言でいうと、オシャレなのだ。しかも、横山のキャリアの初期にクールスR.C.というバンドがあることからもわかるとおり、その瀟洒なムードが、ティーンエイジ・ミュージック的なラウドネス、ルードネスを通過したものである、という点にこそ、得も言われぬ魅力が隠されている。英NME誌のリーダーズ・ポールを数年間独占し、〈怒れる若者〉の代弁者だったジャムのポール・ウェラーが、バンドを解散させてまで始めたスタイル・カウンシル、その洗練がなぜグッとくるのか? ハイ・スタンダード『Making The Road』のボサノヴァ曲になぜハッとさせられるのか? パンク/ハードコア・ミュージックがなぜスカと融合したのか? そもそもネオアコの発生は?──。

「田島(貴男、オリジナル・ラヴ)さんも、レッド・カーテンっていうXTCみたいなバンドから、メジャーセヴンス系のポップな、山下達郎さん的な側面を出していって。採り入れたっていうんじゃなく、ついに当事者になったっていう流れがありますもんね。クラッシュがだんだんそういう方面にいったりと、パンクから派生した心地良い音楽、そういうものにはその本体以上に影響を受けるんですよね。だから、そういう人たちが今こういったサウンドを意識し始めたときに、〈ウチいるよ!〉みたいな感じで(笑)、来てくれるとうれしいなっていうのはありますよ」。

〈進化〉じゃなくて〈深化〉でいきたい

さて、CKBの魅力はおわかりいただけたであろうか? このテキストはすべてを語り尽くしているものではないが、なんというか……音楽をいっぱい知ってる大人だけに独占させるんじゃなくてさ、ライヴハウスで観客の頭上をゴロンゴロン転がっているキミこそ楽しめるぞ!っていう想いがあるわけで。もちろんCKBは下の世代におもねる音楽を演奏しているわけではない。ポップ・ミュージック全体を先に進める先鋭さの代わりに、個人レベルでリスナーの見識を広げるだけの懐の深さがあるからこそ、万民分け隔てなくオススメしたいのだ。

「僕は〈進化〉じゃなくて〈深化〉でいきたいなって思ってるんです。ですから、時代をさかのぼって60年代のパーツを拾ってくることは必ずしも後ろ向きなことではない、と思ってるんですよ。ただ単に60年代がすべていいっていうわけではないけども、2002年の今だからこそちょうどジャストじゃないかという部分があったりするんで。絶対古くならないというか、僕が完全にカッコいいって思うものは全部60年代にあるんですよ。僕にとって60年代は〈時代〉ではなく、ポップ・アイコンと言いますか、ひとつの〈概念〉なんです。アルバムはですね、さんざん60年代とか言いましたけど、もうメチャクチャですねえ──60年代っぽい曲もありますけど──G・ファンクとか(笑)。なんでG・ファンクが好きか?っていうと、音がすごいヴィンテージなんですよね。構造は80年代後半~90年代初頭のヒップン・ソウル(笑)とかなんですけど、ドクター・ドレーのサウンド・プロダクションになんかグッとくるものがあって、ヴィンテージだって思うものがどっかに入ってるとグッとくるなあと思うんです。2トーンのセレクターとかにグッときたのは、やっぱり60'sの匂いがあって──でもパンクなスカ・ビートなんですよ、だから余計に惹かれる」。

この発言にこそ、横山の音楽観、ひいてはCKBの音楽性が如実に表れている。揺るぎない美意識から生まれ、絶妙なバランス感覚ともてなしの心をもって、フレキシブルにアウトプットされる音楽こそ、いつの時代も、フレッシュに、熱く響くものだ。イイネ!×3。

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