名作少女漫画「日出処の天子」が能 狂言化が話題に!アニメや漫画の伝統芸能コラボが増加中

2025年8月に野村萬斎の演出・主演で能・狂言化された「-能 狂言-日出処の天子」。12月1日、2日には追加公演も決定している。40年以上も前の作品「日出処の天子」とはどのようなストーリーなのか、詳しく見ていこう。
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●厩戸王子と蘇我毛人の激動の人生や心の成長などが描かれた名作
「日出処の天子」は、月刊誌「LaLa」で1980年4月号から1984年6月号に連載された山岸凉子の代表作だ。10歳の厩戸王子(うまやどのおうじ)と14歳の蘇我毛人(そがのえみし)が出会い、家族との間に生じる苦悩やお互いの恋心に翻弄される姿を、歴史上の出来事と絡めながら描かれている。
能・狂言化された舞台では、2016年に人間国宝となった大槻文藏が監修を務め、映画やドラマ、舞台で幅広く活躍する野村萬斎が構成・演出を担当したほか、主人公の1人である厩戸王子も演じている。
野村は「物語全体の超自然的な部分が、能狂言の手法でこそ生きる」と語り、公演前から強い意欲を示していた。2022年から能・狂言として上演された「鬼滅の刃」シリーズも同じタッグで成功を収めたことから、大きな注目が集まっている。
近年は、漫画やアニメのストーリーを伝統芸能に取り入れる動きが広がっている。例えば「ONE PIECE」は「スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース」として上演され、宮崎駿の漫画「風の谷のナウシカ」も「新作歌舞伎 風の谷のナウシカ」として舞台化。また「ONE PIECE」は人形浄瑠璃芝居・清和文楽による「超馴鹿船出冬桜(ちょっぱあふなでのふゆざくら)」としても披露され、熊本復興プロジェクトの一環として話題を呼んだ。
原作コミックスである「日出処の天子」は、1983年に「第7回講談社漫画賞少女部門」を受賞。現在は全7巻の完全版が刊行されている。「-能 狂言-日出処の天子」の8月公演は終了し、12月の追加公演も完売とのこと。チケットを予約できた方はもちろん、予約できなかった人も、連載から40年以上がたった今も人々を魅了し続ける「日出処の天子」をぜひチェックしてみてほしい。
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タグ : レビュー・コラム
掲載: 2025年09月17日 17:51

