映画プロジェクト始動!木村拓哉が鬼教官を演じる『教場』の魅力を改めてチェック
これまで3度にわたって制作されてきたテレビドラマ『教場』シリーズ。スペシャルドラマ・連続ドラマを経て、ついに映画化が発表され、2026年公開に向けてプロジェクトが始動した。待望の映画化を前に、改めてこの作品の魅力を振り返ってみたい。
●複雑な人間模様とともに描かれる新感覚ミステリー
『教場』シリーズの原作となっているのは、長岡弘樹の同名小説。警察学校を舞台にしたミステリー小説だが、警察官たちの苦悩や葛藤を描いた人間ドラマとしても読み応えのある作品だ。2013年の「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位を獲得し、警察小説の新境地としてベストセラーとなった。続編も次々と刊行され、2025年8月には最新刊となる「新・教場2」が発売予定だ。
はじめて映像化されたのは2020年のスペシャルドラマ『教場』。主演の木村拓哉をはじめ、監督は木村と共に数々の人気ドラマを作り上げてきた中江功、脚本は『踊る大捜査線』シリーズを手がける君塚良一といった豪華な顔ぶれが揃った。今回の映画化もこの3人が再びチームを組むとのことで、すでに期待が高まっている。
「教場」は、警察学校の内情をリアルに描いた問題作とも言われている。厳しすぎる規律や上下関係の中で、生徒たちは悩み苦しみながらも、さまざまな経験を乗り越えて警察官として成長していく。主人公は“最恐”の教官として恐れられている風間公親。「警察学校は適性のない人間をふるい落とす場」と考え、冷徹にふるまう隻眼の教官を、木村が見事に演じたことでも話題となった。
ドラマ化は成功を収め、翌年の2021年に再びスペシャルドラマ『教場Ⅱ』を放送。さらに2023年4月から『風間公親 教場0』として連続ドラマが放送された。連続ドラマで描かれたのは、風間が警察学校に赴任する以前、刑事指導官として新人刑事の教育に当たっていた時代。最終回では、風間の因縁の相手である殺人犯・十崎波琉が登場した。2人の対決の行く末も気になるところだ。
原作小説は、現在6作品が刊行されている。そのうちの1作「教場X 刑事指導官・風間公親」は、刑事指導官時代の風間が殺人現場へ臨場し、さまざまな事件に挑む短編集だ。目撃者が幼い少女だけだったため犯人不起訴とされた事故をめぐる「硝薬の裁き」、恋人の自死を経験した女性を描く「橋上の残影」など、全6話が収録。映画公開の前に風間公親というキャラクターを知りたい人におすすめの1冊となっている。
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掲載: 2025年07月01日 17:07