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青春小説だけじゃない!「愛されなくても別に」の映画化が決定した武田綾乃って?

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多くの青春小説を執筆し、名を馳せている武田綾乃。自身の作品では初の実写映画化となる「愛されなくても別に」が、2025年7月4日に公開されることが決定した。日本最年少でカンヌ国際映画際に出品した経験を持つ井樫彩が監督を務めるほか、南沙良馬場ふみかの出演も発表されるなど、既に大きな話題を呼んでいる。

●青春ものじゃない武田綾乃の新境地

物語の主人公である宮田陽彩は浪費家の母親に依存され、人生に一度も期待を抱けずにいた。しかしバイト先の同級生・江永雅と出会ったことで、陽彩の人生が大きく変わっていくことに……。

井樫監督が「表現という手段からこぼれ落ちてしまうような小さな小さな傷や痛み。それらをこぼすことなく映画に閉じ込めたい、と思いながら制作しました」と語るように、生きることの痛みが繊細に表現されている同作。実は、武田の作品の中でも新境地と言える作品だった。

もともと武田は、「今日、きみと息をする。」を第8回日本ラブストーリー大賞に応募して、最終選考に残ったのが小説家デビューのきっかけ。2013年には吹奏楽部のリアルな姿を描いた青春小説「響け!ユーフォニアム」シリーズを発表し、アニメ化もされ大人気となった。アニメは第三期まで放送され映画も公開されるなど、いまや青春アニメの定番の一つだ。

他にも「青い春を数えて」など青春を題材にした作品が多い武田だが、彼女の才能は幅広い。少し作風の変わった「愛されなくても別に」は、第37回織田作之助賞候補になるだけでなく、第42回吉川英治文学新人賞も受賞し高い評価を得ている。

実は私生活では2021年に結婚し2024年に第一子を設けるなど、大きな変化があったよう。ちなみに女優の吉岡里帆は高校の同級生で、「愛されなくても別に」の発売時には吉岡のラジオに出演して話題を呼んだ。

これまでの青春ものとは違う、武田綾乃の新境地。彼女が表現する繊細な描写に、どのように息が吹き込まれるのか。今から映画の公開が楽しみでならない。

武田綾乃 著書

アニメ「響け!ユーフォニアム」

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タグ : レビュー・コラム

掲載: 2025年04月25日 17:24