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「近畿地方のある場所について」も映画化決定!ホラー界の新たなブーム“モキュメンタリー”って一体どんな作品?

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ホラー界の新たなブームとして話題になっている“モキュメンタリー”作品。続々と話題作が発表されるなか、作家・背筋の「近畿地方のある場所について」が映画化され、2025年8月8日に公開されることが決定した。ネット上で大きな反響を呼んだ原作だけに、今回の映画化にも注目が集まっている。

●「虚構を現実のように見せる」モキュメンタリーの魅力

そもそも“モキュメンタリー”とは、どういう意味かご存知だろうか?これはmock(偽物)とドキュメンタリー(実録)を組み合わせて作られた造語で、フィクションの物語をまるで現実にあったことのように表現する手法だ。

そのため現実と虚構の境界線が曖昧で、実際にあったことのように感じる没入感を得られる。加えて、断片的に与えられる情報から真相を考察していくという、ゲーム的な一面もモキュメンタリーの魅力のひとつ。読者自身が考える余地が残されているからこそ、多くの人の心を虜にし、その結果SNS上で話題になりやすいという特徴があるのだ。

最近ではモキュメンタリー作品として有名な雨穴の小説「変な家」が映画化されたり、テレビ東京が制作した「TXQ FICTION」シリーズが大きな注目を集めたことも記憶に新しい。

今回の映画「近畿地方のある場所について」は、オカルト雑誌の編集者の男性が行方不明になることから物語が動きだす。彼は失踪直前まで都市伝説や噂など、出所のはっきりしない過去のオカルト記事を読み漁っており、これらの怪奇現象や未解決事件は、すべて“近畿地方のある場所”で起きていた出来事だった……。

原作のWeb連載時にはSNS上で読者が様々な考察・意見を投稿するなど、まるで2ちゃんねるにあった「オカ板(オカルト板)」のような盛り上がりを見せていた。同映画の櫛山慶プロデューサーも、一連の盛り上がりについて「2000年代に掲示板の怪談スレッドに興奮した感覚がよみがえってきた」とコメントしている。 同作の映画化にあたり、白石晃士が監督を担当することも決定。白石は人気ホラー漫画の実写映画『サユリ』を手がけたことでも知られている。一体どんな映画になってスクリーンに届けられるのか……。楽しみに待ちつつ、まずは原作をチェックしてみてはいかがだろうか。

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タグ : レビュー・コラム

掲載: 2025年04月25日 19:05