Kroi×TOWER RECORDS presents「最近何聴いてんの？」

ミュージックラヴァーズの間でも、まごうことなき名盤として語り継がれるであろう、待望のセカンド・アルバム『telegraph』をリリースしたKroi。そんなKroiメンバーの最近の愛聴盤をご紹介！新作『telegraph』を紐解く鍵がここに？！

内田怜央's choice：Orgone『Anticipating』

カリフォルニアのファンクバンドOrgoneの2021年リリースのアルバムNew Youより。
ミュートの加減が絶妙なスネアのフィルインからスタートし、その後のバンドインでは太い心地の良いリードシンセが出迎える。このイントロですでにこの楽曲の音のこだわりがすぐに感じとれる。音楽家としては羨ましい一曲。
9人編成ということで音数は多いが飽和感を一切感じさせない無駄のないアレンジ。かといってガチガチに制限された決め打ちのフレーズ感はなく各々のパートがセッション的な感覚で音を重ねている印象があり、この楽曲の持つチルなフィールに最適。
バッキングで鳴り続けているエレピとベースの遠近感や全体の音色の自然な歪みがこのなんとも言えないメロウさや温かみ、シルキーさを演出している。
一つ一つサウンドメイクが秀逸で全部の音を聴き逃したくないと感じさせられる楽曲です。

長谷部悠生's choice：Philip Lassiter『Philthy』

フィリップラシータというトランペット奏者、アレンジャーやプロデューサとしても活躍するミュージシャンです。
カークフランクリンのホーンアレンジや、プリンスのホーン隊のリーダー等も務めたミュージシャンであるフィリップラシータのソロ作品です。
知ったきっかけは、自分の好きなギタリストのMark lettieriのアルバムに参加していたりなどの関連で知りました。
このアルバムの好きなところは全曲の雑食さです。ファンクが根本にはありつつ、ゴスペルファンク、Hip Hop、レゲェ、Blues、R&B等色々なエッセンスが盛り込んでいてとても聴いていて楽しいです。
2曲目のSoul Music,Pt1はこのアルバムの掴みとしては完璧で、この曲がツボに入る人はこのアルバムが大好きになると思います♡
全曲ギターのアレンジ、フレージング、存在感のバランスがめちゃくちゃかっこいいのも好きなポイントです。ボーカルが大体の曲に入っているのも聴きやすいポイントだなと思います。是非聴いてみてください！

関将典's choice：Vanjess『Homegrown』

8曲目"Boo Thang"を最初に聴いて、曲の構成音のシンプルさとそれでいて満足感のある心地よさにビビッと来てアルバム全体を聴きました。
ナイジェリア出身のIvanaとJessicaの姉妹から成るVanjessですが、ボーカルの音像やミックスなどはTLCやスパイスガールズなどの時代感もある中に現代的な要素も含まれていてかつ808などのサウンドを上手く盛り込んでいて、そのバランスがとても良い作品だと思います。
また、このHomegrownは自家製→'自宅で作る'というような意味合いがあり、DIYというニュアンスも込められているそうです。ジャケもiPhoneで撮影したらしいです。アフリカにルーツを持つ2人の甘い歌声も曲も美しくずっと聴いていられます。

益田英知's choice：Kendrick Lamar『Mr. Morale & The Big Steppers』

トラップ・ブーンバップが入っているのはもちろん、ピアノやストリングス等のクラシックなサウンドが綺麗に入っており、品と儚さ、アンニュイのバランス感が最高です。
「Die Hard」は跳ねるビートに絶妙なテンポ感で聴き心地いいのでぜひご一聴を。

千葉大樹's choice：Amp Fiddler『Mr. Morale & The Big Steppers』

Parliament/Funkadelicなどに在籍していたデトロイト出身のキーボーディスト、Amp Fiddlerの最新ソロアルバム。
プレイは勿論ですが、このアルバムは曲の振り幅がスゴい！！ミックスと音圧もバラバラでチョ～最高です。
P-funk譲りのシンベが効いたディスコソング”Send a Message(Yam Who’s Boogie)から始まりソウルフルなRhodes&シーケンスドラムのループトラック”Take it”、ブレイクビーツにオルガンを重ねた”Yeah!”、ショボ音シンセR&Bの”Nothing Can Keep Me”など、部屋に散らかったガラクタを無理やりに集めたようなアルバムです。
気になって調べたところ、既出トラックに未発表を数曲足してリリースされたアルバムとの事。なるほどこのバラバラ感は制作時期の違いとかも関係してるのかな～とか、全然違う時期にRECした曲を一つの作品に纏めてみるのも面白そうだな～などと思った次第です。

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Kroi メジャーセカンドアルバム『telegraph』