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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.113

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2021年01月29日 10:00

マイルス・デイヴィス『スティーミン』(1961)

MDST

マイルス・デイヴィス(tp)
ジョン・コルトレーン(ts)
レッド・ガーランド(p)
ポール・チェンバース(b)
フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)

1956年5月11日、10月26日(*)、ニュージャージーにて録音

曲目:
01.飾りのついた四輪馬車
02.ソルト・ピーナッツ
03.サムシング・アイ・ドリームド・ラスト・ナイト
04.ダイアン
05.ウェル、ユー・ニードント *
06.ホエン・アイ・フォール・イン・ラヴ

【アルバム紹介】
1.マラソン・セッション4部作ラスト・リリース・アルバム
2.マイルスのミュート・トランペットによるスタンダード・バラードの名演が最後を締める
3.ディジー・ガレスピー、セロニアス・モンクの代表曲をマイルス流でカッコよく

2021年はジャズ界の帝王マイルス・デイヴィスにとって生誕95年、没後30年。 50年代のマイルスの偉業のひとつ、マラソン・セッション4部作をリリース順に『クッキン』『リラクシン』『ワーキン』と紹介してまいりましたが、この『スティーミン』はそのラスト・リリース・アルバムになります。

1956年5月11日と10月26日の2日でレコーディングされたマラソン・セッションのうち、本作は5トラック“ウェル、ユー・ニードント”以外は5月に収録された音源で構成されており、そこは『ワーキン』と類似性を感じさせる部分になっています。

4作連続で聴いてみると、アルバムには必ずスタンダード・バラードの演奏が収録されており、マイルスのミュート・トランペットによる見事なプレイによる名演であるという事実に気づかされます。
本作ではラストを締める“ホエン・アイ・フォール・イン・ラヴ”がそれにあたります。
しかも、『クッキン』の“マイ・ファニー・ヴァレンタイン”、『ワーキン』の“イット・ネヴァー・エンタード・マイ・マインド”はどちらもジョン・コルトレーンはお休みとなっており、それも本作でも例外ではありません。そんなところにマイルスのバラード演奏に対する自信みたいなものを感じさせます。

対照的にアップテンポのナンバーでは、ディジー・ガレスピーの“ソルト・ピーナッツ”、セロニアス・モンクの“ウェル、ユー・ニードント”をマイルス流ハードバップでキメまくります。どちらの曲もミュート無しのフルトーンで吹きまくり、カッコよく、圧巻のプレイを披露しています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
アルバム最後にふさわしいバラード名演“ホエン・アイ・フォール・イン・ラヴ”。

この曲は作曲が“マイ・フーリッシュ・ハート”や“星影のステラ”などで知られるビクター・ヤングで、ヴォーカルではナット・キング・コールの名唱、ピアノではビル・エヴァンス、キース・ジャレットの名演がありますが、トランペットではこのマイルスのバージョンがダントツですが、隠れ名演としてはブルー・ミッチェルがあります。
演奏はムーディなレッド・ガーランドのイントロで幕をあけます。テーマがはじまると、ミュート・トランペットでマイルスがロマンティックなメロディラインを歌うように奏でてゆきます。メロディの谷間でオブリガートをいれるガーランドのピアノも出色の出来。テーマが終わるとガーランドが美しくジェントルなソロをとり始めます。その後マイルスのソロはなく、再びテーマに回帰し、スウィートなムードをたたえたままエンディングとなります。ジャケットを見ていると、この曲の演奏後、こんな風に静かにタバコに火をつけたのかな、と思わせられます。
4回にわたって、マラソン・セッションをお伝えしてきましたが、次週からは再びいろいろなアーティストのジャズの名盤をご紹介してまいります。

国内盤SHM-CD(一般普及盤)