こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

注目アイテム詳細

ブルータス特集『クラシック音楽をはじめよう。』

掲載: 2020年05月22日 00:00

BRUTUS

BRUTUS『クラシック音楽をはじめよう。』特集内
TOWER RECORDSクラシックバイヤー協力企画

ブルータス 2020年6月1日号掲載!
タワーレコード クラシック・バイヤー 北村 晋がクラシック名曲の聴き比べの楽しさをご紹介!

「様々な演奏があって、これじゃなきゃいけないっていうことがないのが、クラシックを聴く楽しみの一つなんです。個人的にも良いと思う演奏は変わり、昔は好きじゃなくても急に今聴きたくなったり。異なる要素の掛け合わせを楽しんでほしいですね。」(タワーレコード クラシック・バイヤー 北村 晋)

クラシック名曲のCDは数多く、名曲になればなるほど同じ曲でも何十種類ものCDが発売されています。 時代や国の文化、楽器の音色、演奏家の楽譜の解釈によって演奏が大きく異なり、その違いを楽しむのもクラシック音楽を楽しむ醍醐味の一つです。
中には、新たにリマスタリングが施され、これまで聴いていた音源と違った聴こえ方がするなど、新たな魅力に気付かされるという事もございます。

聴き比べると面白いクラシック名曲10曲のタイプの異なるオススメ盤をご紹介いたします!
(タワーレコード)

 「雑誌BRUTUS 916号(2020年6月1日号)より転載 (text/Takayuki Komuro)」

ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」

カラヤン(指揮) ベルリン・フィル
クラシックを聴くなら外せない革命的作品を聴くなら外せない革命的作品

誰もがその名を知る名指揮者が74歳で遺した名演奏。ライブではなくスタジオ録音されていることからも、彼の最終的な結論なのだと思います。晩年まで貫かれたカラヤンの美学が詰まっています。

 

ネルソンス(指揮) ウィーン・フィル
伝統を尊重しつつ、現代の研究成果を盛り込む。

今年のニューイヤーコンサートで指揮者を務め、名門楽団から絶対的な信頼を得た数少ない若手指揮者の一人。この『運命』は昨今収録した最新版。伝統と、“現代に生きる”ベートーヴェン像を融合させた今の時代の名盤。

 

モーツァルト:交響曲第40番

ワルター(指揮) コロムビア交響楽団
昔ながらのファンに人気の古典的名盤。
60年ほど聴き継がれてきた録音が、21年ぶりに新しくリミックス&リマスタリングされて、今蘇ったかのような鮮烈な音になりました。現代とは異なる、昔ながらの演奏を見直すきっかけになる盤です。

 

鈴木秀美(指揮) オーケストラ・リベラ・クラシカ
日本が世界に誇る指揮者の一人
チェロのみならず指揮者としても注目を集める鈴木秀美による、今後のモーツァルトの演奏を考えるうえで大事な録音。古楽による演奏で、世界中を見てもここまでのレベルに達しているものは少ないと思います。

 

ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」

アンチェル(指揮) チェコ・フィル
作曲者の母国のオケならではの音色。

今のチェコ・フィルとは違う60年近くも前に鳴っていた音を、オリジナルの録音テープから最新技術を用いて復刻。タイムスリップするような感覚を味わえるはずです。ドヴォルザークを聴くうえで“基本”となるような音を堪能できます。

 

バッティストーニ(指揮) 東京フィル
イタリア人らしい歌心で聴かせる旋律美。

指揮者は年をとってから評価されることが多いのですが、これは指揮者が当時20代の時の録音。新しい世代によって、定番の曲がどう現代に蘇るのかが聴きどころ。いろんなアプローチができるのが名曲である証しですから。

 

マーラー:交響曲第9番

バーンスタイン(指揮) ベルリン・フィル
一期一会の共演が起こした奇跡のライブ。

『ウエスト・サイド物語』の作曲者としても知られるバーンスタインが、その生涯で唯一、カラヤンのオーケストラであるベルリン・フィルを振った貴重な録音。慣れない組み合わせならではの緊張感と即興性が、奇跡的な名演を生みました。

 

ラトル(指揮) ベルリン・フィル
現代のオーケストラが到達した最高の演奏。

バーンスタインの28年後に同じオケが録音した、いろんな意味で対極的な演奏です。好き嫌いは分かれるかもしれませんが、100人以上いるオーケストラを完璧に統率して、複雑なスコアを正確に再現してしまったことに驚かされます。

 

バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番

パブロ・カザルス(Vc)
これを挙げるほかないという決定盤。

この作品は彼によってコンサートで演奏されるようになったことから、“カザルス= バッハの無伴奏”という図式が成り立つくらい、チェロの神様カザルスと結びついた曲。この1930年代の録音もいまだに聴き継がれています。

 

上野耕平(Sax)
ほかの楽器でも成り立つ面白さを堪能できる。

カザルスが別格だからこそ、かけ離れた楽器で演奏している録音との聴き比べをおすすめ。まだ20代ながら、技術・音楽性ともに高い評価を受ける上野がバリトンサックスで誠実な演奏を聴かせ、弦楽器とは別の魅力を披露してくれる。

 

チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲

ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)
全世界を魅了した超絶技巧のバイオリニスト。

異常なほどのテクニックがあって、演奏歴も録音歴も長いバイオリニストによる世界的なロングセラー。特に第3楽章の切れ味は他の追随を許しませんし、汗が飛び散るような迫力は一聴の価値ありです。

 

ヒラリー・ハーン(Vn)
技巧と知性を兼ね備えた現代を代表する存在。

ハイフェッツに匹敵する技巧を誇る、現代アメリカのバイオリニストです。隅から隅まで完璧に弾きこなし、感情表現は抑えめ。その分、指揮者V・ペトレンコがドラマティックに音楽を盛り上げていきます。

 

ショパン:ピアノ・ソナタ第3番

ディヌ・リパッティ(P)
悪性リンパ腫で早逝した天才の遺産。

若くして亡くなった才能ある演奏家は人気があるのですが、そういうことに関係なく比類ない録音です。品位を保ちながらショパンの詩情を豊かに紡ぐ、30歳という年齢を感じさせぬ深い演奏には、言葉を失います。

 

マウリツィオ・ポリーニ(P)
「現代最高のピアニスト」が遺した軌跡。

完璧な技巧を披露した旧盤から24年後。76歳の時の演奏です。技術的な衰えも確かにありますが、今のポリーニが行き着いた境地として聴くのも面白いかと。録音を残す意義を考えるきっかけにもなるはずです。

 

プッチーニ:歌劇『トスカ』より「歌に生き、愛に生き」

マリア・カラス(S)
20世紀最高のオペラ歌手による絶唱。

サバタ指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団との共演。29歳の時の録音ながら、トスカ役に込める深い思いが結実した歌声には圧倒されるばかりです。これまでリマスターされたことのない音源を含む有名アリアをそろえたコンピレーション盤。

 

アンナ・ネトレプコ(S)
現代を代表するプリマドンナの叙情。

ロシア出身のスター歌手が油の乗り切った44歳で聴かせた名唱。現代最高のオペラ指揮者パッパーノのサポートを得て、圧巻のパフォーマンスを披露。カラスほど劇的ではなくとも、より叙情的なのが印象的です。

 

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番

セルゲイ・ラフマニノフ(P)
ロシアの大地を感じさせる味わい深い哀愁。

旋律が非常に美しく、映画やフィギュアスケートでも使われている有名曲を、原点である本人の演奏で。録音は古いですが自作自演が遺されている定番の名曲は、それほど多くありません。

 

カティア・ブニアティシヴィリ(P)
華やかに活躍する若手ピアニストの筆頭格。

圧倒的な華があって、若いのに未熟さを感じさせない完成された演奏家です。日本でもお馴染みの指揮者パーヴォ・ヤルヴィの共演によるチェコ・フィルも聴きどころ。初のフル・コンチェルトアルバムです。

 

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番

スヴャトスラフ・リヒテル(P)
冒頭から有名な旋律に惹きつけられます。

ソ連時代を代表するピアニストの一人、リヒテルが西側諸国に紹介されて衝撃を与えていた頃の鮮烈なイメージと、曲の印象がピタリと一致した名盤。カラヤンによるゴージャスなサウンドのオケも見事です。

 

アリス=紗良・オット(P)
19歳で伝統あるDGレーベルと契約した逸材。

男性のリヒテルと比べるとパワーは全然違うんですけれど、叙情的な第2楽章に聴きどころが多い演奏です。指揮者も古楽系なので、一般的なチャイコフスキー像とは異なるサウンドを聴かせてくれます。

北村 晋 (タワーレコード・クラシックバイヤー)
きたむら・すすむ/クラシック音楽部門のとりまとめやタワレコ限定商品を制作。
ベートーヴェン生誕250年企画、タワレコ限定『永遠のベートーヴェン・ベスト』が発売中。
詳細はこちら>>>