〈TOWER JAZZ〉高松丸亀町店ジャズ喫茶:自分時間にも、誰かと過ごす時にも。大切なひとときにおすすめな一枚！

Walter Bishop Jr. Trio『スピーク・ロウ』

外見も中身も紛うことのない名盤。日本でジャズ喫茶がブームだった頃、マイナーレーベルの為プレス数が少なく、幻の名盤として知られていた作品です。いまや、音源を聴きにジャズ喫茶に通わずとも、手軽にCDで聴けるのは嬉しい限り！全曲推しますが、特に⑤のバップとモードが混ざった演奏、⑥の爽やかなラテンのリズムは、聴き込むほどに何度もリピートしてしまいます。カッコよくて最高！記念すべき初リーダー作なのですが、コルトレーンのサイドメンだったベーシスト、ジミー・ギャリソンの煽りをうけて、初リーダー作とは思えない程グルーヴしまくるピアノを聴かせてくれます。

◆◆◆◆◆

Tommy Flanagan Trio『ジャズ・ポエット＜完全限定生産盤＞』

大切な方をもてなす時にも、誰にも邪魔されない自分時間にも欠かせない、大好きな一枚です。「ジャズの詩人」のタイトル通り、技術だけではない、作品全体に漂う極上のリラックス感を味わえます。ブライトでリラックスする雰囲気の①⑤⑨⑩、必要な音を必要なだけシンプルに響かせて聴き手の心に届ける情感たっぷりの②など。ソニー・ロリンズの"SAXOPHONE COLOSSUS"とか、コルトレーンの"GIANT STEPS"とか、ジャズ名盤に数限りなく参加している大ベテランですから、もしご存知なければ、これを機会に聴いてみられてはいかがでしょうか。

◆◆◆◆◆

Louis Hayes『Serenade For Horace』

ブルーノートを代表するアーティスト、ホレス・シルバーのクインテットに参加していたドラマーによるこの一枚。ジャズ黄金期に第一線で活躍した偉人が、あの頃のジャズと現代のミュージシャンを掛け合わせると、やはり予想を裏切らない素敵な作品が届くんだなぁ！と感動しました。タイトル通り、ジャズの歴史を語る上で避けては通れない"恩師"ホレス・シルバーへの親愛の感情が溢れていて、安らぎます。推しは①③④⑦⑧。心地よくヴィブラフォンが効いている⑤⑨にも注目してみてください！

◆◆◆◆◆

Lalah Hathaway 、 Joe Sample『The Song Lives On』

ダニーハサウェイの実娘、レイラ・ハサウェイを迎えて、ジャズクルセイダーズ時代のヒットナンバーをセルフカバーした作品です。バンド構成もシンプルで、抑制の聴いたサウンドでまとまっていて、どんなに時間が経とうとも、いつも手元に置いておきたい作品です。おまけにジャケットも可愛らしくて、めちゃくちゃお気に入り。ある時は深く聴き込むし、BGMのように掛けていることもしばしば。堂々たる歌いっぷりの、ロートーンのレイラのヴォーカルがとても落ち着きます。そこに柔らかく重なる、透明なピアノの音質。①③⑤⑥⑦あたりはもう、何度聴いたことかしら。おススメします！

◆◆◆◆◆

高松丸亀町店ジャズコーナー紹介

新譜、名盤、タワレコ限定の人気コンピCDなど、いろいろとラインナップしています。関西発のジャズのフリーペーパー「WAY OUT WEST」は、毎月届けていただいています。椅子に座ってゆったりと試聴していただけるコーナーもございますので、どうぞお気軽にお越しくださいませ！

担当者／作品レビュー執筆者紹介

高松丸亀町店 バイヤー： 石川 充代

楽器を習っていた影響で中学校の頃からフュージョン系にはまり、大学から念願のサックスの道へ。マルチプレイヤーの本田雅人さんを敬愛してます。本田さんがサポートで参加された音源をいろいろと聴いていくうちに、どんどん聴く範囲が拡がりはじめ、気がつけば今やタワレコジャズ担。日々、聴いて、推して、時に社外でジャズの勉強会を開催。プライベートでは社会人ビッグバンドに加入して、仕事も趣味も音楽漬けな毎日を送っております！

「作品がありすぎて、何から聴いていいのか…」 「コルトレーンやマイルスという有名人なら分かるけど、最近のものはよく分からない…」 いろんな方とお話をさせていただく中で、たくさん聞かれるご意見です。四国には昔、多くのジャズ喫茶があったこともあり、興味をお持ちの方もきっと沢山いらっしゃるのだと思っています。歴史もあり、演奏スタイルも多様ですが、「好き」を見つけるお手伝いができればいいなと思っています。敷居が高いと思われているジャズですが、もっと身近に触れていただければと思います。ぜひ、お気軽にお越しください♪