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Arat Kilo、Mamani Keita、Mike Laddによるコラボ作『Visions Of Selam』

Arat Kilo、Mamani Keita、Mike Ladd『Visions Of Selam』

民謡クルセイダーズの日本民謡とラテン・リズムの融合や、韓国のレゲエ・バンド、NST&ザ・ソウル・ソースとパンソリの唄手、キム・ユルヒのコラボレーションなど、地球の表と裏ほど違う音楽要素の大胆なミクスチュア・サウンドが昨今熱い注目を浴びていますが、このスペシャル・コラボレーション作品もそのうちの一つに数えてもいいかもしれません。

この作品のサウンドの中核を担っているのは、2008年結成、パリ出身のエスノ・ジャズ・ファンク・バンド、アラ・キロ。バリトン&アルト・サックス、フルート/トランペット、キーボード/エレクトリック・ギター/エレクトリック・ベース/ドラムスの6人編成で、これまでもエチオ・ジャズ・サウンドを基軸にアフロビート、ラテン、レゲエ(ダブ)、グナーワやヒップホップなど、様々な音楽要素との融合を試みてきました。そしてその複合的エチオ・サウンドに強烈なバマコの風を吹き入れているのがマリ出身の女性歌手、ママニ・ケイタ。アーシーで気骨のある歌声が印象的な彼女は、ソロ・シンガーとしての人気だけでなく、サリフ・ケイタをはじめとする数々のビッグ・ネームたちからも熱烈なラヴ・コールを受け、バック・シンガーとしても引っ張りだこの存在です。2002年にアルバム「エレクトリック・バマコ」でデビュー。2014年の『カヌ』(ライス・レコード HMR-7053)では西アフリカの伝統楽器ンゴーニを使いつつ現代的なサウンドを構築するという斬新な試みで話題となりました。そこに畳み掛けるように重なり合うのが、アラ・キロと同じくパリを活動拠点とするマサチューセッツ州ボストン出身のヒップホップ・アーティスト、マイク・ラッドのラップ。『ヒップホップ・コンセプトのキング』とも称された彼は、現代ジャズ界の重要人物でもあるジャズ・ピアニスト、ヴィジェイ・アイヤーとのコラボレーションでも世に知られています。いずれのアーティストも、異種を組み合わせるミクスチュア・サウンド・クリエイトに関してはベテランの域と言っても過言ではないでしょう。

エチオピアの公用語、アムハラ語で『平和』を意味する『セラム』。『ヴィジョン・オヴ・セラム』=『平和の展望』と冠されたこの作品では、エチオ・ジャズ・ファンク、マリ音楽、ヒップホップという、それぞれに異なった強烈な個性を持つ3つが三位一体となり、未曾有のファンキー/メロウ・グルーヴ・サウンドを生み出しています。3曲目に収録されている'ANGAFILE'では、なんとリズム・パターンにモータウン・ビートを起用。ママニ・ケイタのコブシの効いた歌声とマイク・ラッドのストリート感溢れるラップ、そしてエチオピア特有の外連味ある摩訶不思議な旋律があのスウィート・ソウル・ミュージックの王道リズムにジャスト・フィットするという奇跡。本当に物凄いことをしてくれています。ファンクあり、美しいエキゾチカ・サウンドあり、アフロビートあり、ダブあり、うっとりするようなメロウ・グルーヴありとファースト・トラックからラスト・トラックまで心地よく聴ける緩急の計算もなされているので、アルバム作品としての完成度も非常に高いです。とにかく素晴らしい大技の連続。聴き逃したら大後悔するかもしれませんよ?!

 

【収録曲】
1.TOULO
2.DOU COULA
3.ANGAFILE
4.DIA BARANI
5.AMERICAN JUJU
6.SOUL FOOD
7.ESHI ULET
8.CHAOS EMBEDDED
9.NAFQOT
10.SEEDS
11.ESHI ANT
12.VIZEPLIO
13.YALA

タグ : 世界の音楽

掲載: 2019年10月15日 15:26