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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.9

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2019年01月11日 10:00

カーティス・フラー『ブルースエット』(1959)

CF

カーティス・フラー(tb)
ベニー・ゴルソン(ts)
トミー・フラナガン(p)
ジミー・ギャリソン(b)
アル・ヘアウッド(ds)

1959年5月21日録音

曲目:
1.ファイブ・スポット・アフター・ダーク
2.アンディサイデッド
3.ブルースエット
4.マイナー・バンプ
5.ラヴ・ユア・スペル・イズ・エヴリホエア
6.12インチ

【アルバム紹介】
1.CMで一世風靡、ジャズ・トロンボーンの名曲“ファイブ・スポット・アフター・ダーク”収録
2.作曲者のベニー・ゴルソンは名コンポーザー
3.村上春樹『アフターダーク』

2018年ラストにこのコーナーでご紹介いたしましたデイヴ・ブルーベックの大ヒット・ナンバー“テイク・ファイヴ”と同じ某滋養強壮剤のCM曲として、バブル時代にオンエアもされ、ジャズ・トロンボーンの名曲として知られている“ファイブ・スポット・アフター・ダーク”を収録したトロンボーン奏者カーティス・フラーの代表作がこのアルバムです。

ジャズの世界ではビッグバンドの黄金時代にはグレン・ミラーやトミー・ドーシーなど、そのリーダーがトロンボーン奏者だった例が多いですが、個人のアドリブ主体のモダン・ジャズ期になると、早いパッセージが可能なトランペットやサックスが花形となり、トロンボーン奏者は少々地味な存在になりつつも活躍はしつつ、ホーンのアンサンブルでのハーモニーの豊かさや厚みを出すことに関しては、抜群の威力を発揮し、欠かすことのできない楽器でした。

本作はトロンボーン、テナー・サックスをフロントにした5人編成=クインテットで演奏されていますが、この編成は一般的にはトランペット、サックスがフロントという場合が多いことを考えますとそのサウンドが一味違うところに魅力があるともいえます。また、カーティス・フラーのふくよかなトーンがそこにより深みを与えている点も聴き逃せません。

名曲“ファイブ・スポット・アフター・ダーク”を作曲したのは、テナー・サックスを吹いているベニー・ゴルソン。サックス奏者としての才能以外に名コンポーザーとして数々の名曲を世に送り出しており、“アイ・リメンバー・クリフォード”(リー・モーガンの名演で有名。アルバム『リー・モーガンVol.3』に収録。)、“ブルース・マーチ”や“アロング・ケイム・ベティ”(どちらもアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズの代表曲。アルバム『モーニン』に収録。)“ウィスパー・ノット”、“キラー・ジョ―”などがあります。

タイトルは“宵闇のファイヴ・スポット”と直訳が可能ですが、ファイヴ・スポットとは、NYの有名なジャズ・クラブ、“ファイヴ・スポット・カフェ”のことで、かつてここでレコーディングされた数々のライヴ名盤が残っていることでも知られています。

“アフターダーク”という言葉を聞いて思い出すのは村上春樹の2004年発表の小説。 この中の登場人物の一人、男子大学生の「高橋」はジャズ・トロンボーン吹きで、彼がトロンボーンを始めたきっかけは“ファイブ・スポット・アフター・ダーク”を聴いて感銘をうけた、というものでした。この深夜の出来事を描いたストーリーに漂う雰囲気とこの曲は非常にフィットしているようにさえ感じます。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
“ファイブ・スポット・アフター・ダーク”は未聴の方はとりあえず一度は聴いてみてください。

イントロもなく、ふわりとブルーな、しかしどこか都会的なメロディ・ラインのテーマが始まり、聴く者を引き込むような力を持つ名曲です。
この曲はカーティス・フラー自身が本作とほぼ同じメンバーで、同じサヴォイ・レーベルから1993年にリリースしたアルバム『ブルースエット・パートII』でセルフ・カヴァーしています(現在は廃盤)。
村上春樹の小説『アフターダーク』が発売された2004年頃、作品の中でこの曲が取り上げられたことで、店舗ではカーティス・フラーの『ブルースエット』の問い合わせが急増し、にわかに高セールスが続いたことがありました。
もう一つ、トリヴィア的な話ではありますが、同年公開されたスティーヴン・スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演の『ターミナル』という映画をご存じでしょうか。主人公(トム・ハンクス演じる)はとある小国からやってきた男性なのですが、亡き父との約束を果たすためにニューヨークに来たものの、母国がクーデターで消滅、パスポートは無効になり、空港から一歩も出られなくなる、という事態に巻き込まれます。それでもそこで果たさなければならないその約束とは何か、というストーリーの核心のキーになる人物として、テナー奏者のベニー・ゴルソン自身が“本人役”で登場します。機会がありましたら一度ご覧になってみてください。

国内盤(一般普及盤)

 

UHQCD国内盤

 

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