ワーナー廉価盤シリーズ『Erato Story』最新作(2016年4月発売 5タイトル)
先日亡くなったブーレーズの自作自演による“プリ・スロン・プリ”や、トルトゥリエとラクロワによるバッハのチェロ・ソナタ、ピリスのショパン“ワルツ全曲”など耳にしておきたい名盤の復刻が揃います。
ポール・トルトゥリエ/J.S.バッハ:チェロ・ソナタ集
名チェリスト、トルトゥリエと、チェンバロの名手ラクロワとのバッハ。彼のバッハ観とラクロワの歴史的観点から見いだされた表現は、雄大なスケールと人間性が特徴になっています。作曲者と演奏者の隔てを取り払い、音楽そのものに感動できる唯一無二の内容です。芸術性、音楽性に加え、暖かな人間性をも感じさせるバッハ演奏といえましょう。
(ワーナーミュージック・ジャパン)
【曲目】
J.S.バッハ:
チェロ・ソナタ ト長調 BWV.1027
チェロ・ソナタ ニ長調 BWV.1028
チェロ・ソナタ ト短調 BWV.1029
【演奏】
ポール・トルトゥリエ(チェロ)
ロベール・ヴェイロン=ラクロワ(チェンバロ)
【録音】
1963年(ステレオ:セッション)
ピエール・ブーレーズ/ブーレーズ:プリ・スロン・プリ
ブーレーズの代表作のひとつ“プリ・スロン・プリ”は、副題「マラルメの5つの肖像」と呼ばれるように、トータル・セリエルと呼ばれる厳格煩雑な作曲技法によったもので、これは1981年にエラートに録音した自作自演盤です。マラルメの詩を一旦解体し、そこに多彩な響きを新たに絡め合わせた名演です。
(ワーナーミュージック・ジャパン)
【曲目】
ブーレーズ:プリ・スロン・プリ
【演奏】
ピエール・ブーレーズ(指揮)
BBC交響楽団
フィリス・ブリン=ジュルソン(ソプラノ)
【録音】
1981年(ステレオ:セッション)
シリル・ユヴェ/ブゾーニ:ピアノ作品集
クラウディオ・アラウの弟子で、師から「最高の継承者のひとり」と見なされていたシリル・ユヴェ。ジェルジ・シフラからも薫陶を受けています。ピアノ音楽の幅広いレパートリーを持っていますが、現代ピアノでの演奏法に、歴史的奏法の概念を取り入れることが、彼の演奏の特徴といえましょう。1970年代おわりから1980年代はじめにかけて、国営ラジオ局フランス・ミュージックにて、「ヴィエイーユ・シール〔古い蝋管〕」と題した、往年の音楽家の演奏を集めたアーカイブ番組を創設。さらに、アルク・エ・スナンとクリュニーで音楽祭を立ち上げています。現在では歴史的ピアノ奏者として有名となっている彼ですが、これは1986年にエラートに録音したもので、ブゾーニ流に具現化した円熟期の音楽を、見事なテクニックと音楽性で奏でたものです。初CD化。
(ワーナーミュージック・ジャパン)
【曲目】
ブゾーニ:
ソナチネ第6番(ビゼーの「カルメン」に基づく室内幻想曲)
イタリア風
子守歌
ソナチネ第2番
トッカータ(小前奏曲-幻想曲-シャコンヌ)
ソナチネ第4番~キリスト生誕1917年の日
インディアン日誌第1巻(アメリカ・インディアンの旋律による4つのピアノ練習曲)
【演奏】
シリル・ユヴェ(ピアノ)
【録音】
1986年(デジタル:セッション)
マリア・ジョアン・ピリス/ショパン:ワルツ全集
ショパンを得意とするピリス。サロン的な軽妙洒脱な味わい、ピアニズムのきらめき、匂い立つ典雅など、ワルツそれぞれの特質を的確にとらえ、知的な読みの深さによって、自然体でありながらも格調高く描き出しています。
(ワーナーミュージック・ジャパン)
【曲目】
ショパン:ワルツ集第1~14番
【演奏】
マリア・ジョアン・ピリス(ピアノ)
【録音】
1984年2月(デジタル:セッション)
ジョン・エリオット・ガーディナー/ラモー:“ダルダニュス”管弦楽組曲
最近はオペラ全曲演奏も数が多くなったラモーは、再び新たな陽の目を見るようになってきました。この盤は、ガーディナーがオリジナル楽器を使用しはじめた初期の録音ですが、すでに完全なラモーの正しいバレや描写を見事に表現したものです。当盤で管弦楽のための組曲としてお聴きになってみてください。この“ダルダニュス”は作曲当時、楽器奏者の演奏が大変なもので、くしゃみする暇もないと言われたようですが、それだけラモーのオペラの管弦楽部分が充実音楽であふれているのです。その管弦楽で綴られた素晴しい録音です。
(ワーナーミュージック・ジャパン)
【曲目】
ラモー:歌劇“ダルダニュス”より管弦楽組曲
【演奏】
ジョン・エリオット・ガーディナー(指揮)
イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
【録音】
1982年(デジタル:セッション)
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2016年03月17日 13:00