巨匠アーノンクール、RCO名誉客演指揮者最後のコンサート~ブルックナー:交響曲第5番(DVD/Blu-ray)
掲載: 2014年07月03日 19:02

巨匠ニコラウス・アーノンクールが指揮したブルックナーの第5交響曲の映像作品が登場。2000年以来、名誉客演指揮者のポストにあるコンセルトヘボウ管に別れを告げることを決めたアーノンクールが、2013年10月25日と27日の2日間に亘り、アムステルダムでおこなったコンセルトヘボウ管との最後のコンサートの模様をライヴ収録したものです。
<アーノンクールによるブルックナーの交響曲録音>
オリジナル楽器使用のウィーン・コンツェントゥス・ムジクスを率いる時代考証派の草分けとしてすでに名を馳せていたアーノンクールが、コンセルトヘボウ管を指揮して、ブルックナーの交響曲第3番をライヴ・レコーディングしたのは1994年のこと。ベイヌム、ヨッフム、ハイティンク、シャイーら歴代の首席指揮者に加え、クレンペラー、セル、ジュリーニといった大物の客演陣とも、ブルックナー演奏の独自の伝統を培ってきた名門楽団を相手に取り組んだ、アーノンクール初のブルックナーは、持ち前の過激で先鋭的な指揮ぶりと、荒々しい作品の性格とが相性も抜群で、当時大きな話題を集めたものでした。この第3番を皮切りにアーノンクールは、1997年にコンセルトヘボウ管を指揮して第4番をライヴ録音、1999年にウィーン・フィルを指揮して第7番をライヴ録音、2000年にベルリン・フィルを指揮して第8番をライヴ録音して、自身と同じこのオーストリアの交響曲作家に強い関心を寄せ、力を注いできました。
また、2002年にウィーン・フィルを指揮して第9番をライヴ録音した際には、第1楽章から第3楽章までは、ベンヤミン=グンナー・コールス校訂による「ブルックナー協会版全集」の一環として2001年に出版された新クリティカル・エディションを初めて使用。加えて、ジョン・A・フィリップスが補完した第4楽章のフラグメントをアーノンクール自身の解説つきで収録するなど、最新の研究成果を貪欲に取り込むあたりに、学究肌のアーノンクールらしいこだわりの一面を示してもいました。
親密なるロイヤル・コンセルトヘボウ管との最後の取り組み、第5交響曲の再録音こうした流れを汲むRCOLiveのリリースは、2004年にアーノンクールがウィーン・フィルを指揮して第5番をライヴ録音して以来9年ぶりのブルックナー、第5番のソフトとしては2種目の内容になります。
このたびの第5番を含め、アーノンクールのブルックナー録音を語るうえで欠かせないコンセルトヘボウ管ですが、1975年にアーノンクールが指揮したJ.S.バッハのマタイ受難曲とヨハネ受難曲の伝説的公演に遡る、両者の結びつきにはかなりのものがあり、以来38年間に276回の演奏会をおこなってきました。
さらに2006年12月、アーノンクールはオランダの音楽生活全般、とりわけコンセルトヘボウ管への多大な貢献に対して、オランダ王国獅子勲章を授与されています。
アーノンクールが80代も半ばに近づき、コンセルトヘボウ管とのあいだによりいっそう親密な関係が保持されていることは、やはり同じ顔合わせで、2012年4月にライヴ収録されたベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」の映像作品を通じても伺えました。
ここでの解釈の深化と仕上がりに自然と期待が高まるところですが、第3番以来、ブルックナーの交響曲を共に探求してきた長年の手兵との最後の機会に、こうしてまた第5番を取り上げたアーノンクール自身の意気込みもひしひしと伝わる、総決算にふさわしい演奏内容といえるでしょう。(キングインターナショナル)

【収録曲】
ブルックナー:
交響曲第5番変ロ長調WAB. 105(原典版)
【演奏】
ロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団
ニコラウス・アーノンクール(指揮)
=アーノンクール指揮ブルックナー第5 番のトラックタイム=
・RCO/2013年 ⅰ.20:15+ⅱ.12:30+ⅲ.13:04+ⅳ.21:54=TT.67:43
・VPO/2004年 ⅰ.20:34+ⅱ.14:57+ⅲ.13:35+ⅳ.23:59=TT.73:07
【収録】
2013年10月25日、27日/アムステルダム、コンセルトへボウ(ライヴ)
監督:ヨースト・ホンセラール
ビジョン・ミキサー:ディック・クヮイス
照明:パスカル・ネイバー
オーディオ・プロデューサー&レコーディング・エンジニア:エヴェレット・ポーター
カテゴリ : ニューリリース