【Arts et Spectacles】プルーデルマッハーによる“ハルサイ”(ピアノ独奏版)

これは凄すぎる!
ピアノの超絶技巧を極限まで追求した恐るべき「春の祭典」編曲
2011年4月22日、東日本大震災直後にもかかわらず来日し、東京のトッパン・ホールで自編の「春の祭典」を披露して聴衆の度肝を抜いたジョルジュ・プルーデルマッハー。
元来が大管弦楽のための複雑巧緻な「春の祭典」を、10本の指で弾くことは誰もが無理と思いますが、プルーデルマッハーは東京でも、この録音のフランスでも公衆の面前で立派に証明しています。東京での演奏を、片山杜秀氏は朝日新聞紙上に、「上手に指に収まる編曲で破綻なくまとめるつもりは微塵もない。ドン・キホーテ的に突撃する。ほとんどアナーキー。壊れている。しかしこの無茶からこそ〈春の祭典〉の圧倒的な色彩と力がピアノ1台で蘇る。はじめ呆然、やがて陶酔」と評しています。
山下洋輔ばりにひじや腕でのクラスター奏法や強音主体の演奏ゆえ、ピアノの音が渦を巻いて鳴り響きます。
プルーデルマッハーは教育面でも活躍していますが、自身の演奏・解釈は伝統や常識に則すという気はさらさらなく、音譜を素材に、それだけ気ままに流動し、豊かな響きが奏でられるか実験するという、ジャズの即興の精神に近いものがあります。それゆえか、ジャズ・ドラムのジョルジュ・パチンスキ(日本ではパッチンスキーと表記される)との共演で、31分にわたるエキサイティングな即興を聴かせてくれます。彼らは10年にわたりクラシックとジャズの内的融合を探求し、スタンダードな即興から、あらゆる枠をとりはらった斬新な境地に至りました。その実践がここに収められた「祭典から戦いへ」。これもほとんどアナーキー、壊れた世界が続きます。プルーデルマッハー、恐るべきピアニストと申せましょう。
【曲目】
1)ストラヴィンスキー(プルーデルマッハー編):「春の祭典」(ピアノ独奏版)
2)ジョルジュ・パチンスキ:祭典から戦いへ
【演奏】
ジョルジュ・プルーデルマッハー(Pf)
2)ジョルジュ・パッチンスキー(Drums)
【録音】
2013年2月1日/セルジー・ポントワーズ(フランス)(ライヴ)