【Weitblick】ケーゲル&ライプツィヒ放送響~管弦楽名曲集VOL.1

巨匠と言われる指揮者ほどこうした小品も一点一画を疎かにしない真剣勝負で聴かせてくれるものですが、やはりケーゲルです。シュトラウス演奏も洒脱さからは程遠い軍隊調の規律、例えばライナー&シカゴ響の厳粛な演奏を想起させるような硬派な名演です。テレビ向けのシュトラウスコンサートだった模様ですが浮かれた感じはまるでありません。
「ラデツキー行進曲」もそのノリで突っ走っています。コワモテ指揮者ケーゲルの面目躍如です。
一転してウェーバーはほの暗いドイツ・ロマン色の濃い演奏で、希代のロマンティストでもあった一面を見せてくれます。
最後の「モルダウ」がこれまた素晴らしい!声涙下る感情移入演奏とは一線を画したそれでいて、この曲が如何に歴史的に重要で名曲であるかを物語る目から鱗の必聴盤です。
※英語、日本語、ドイツ語によるライナーノート付
『ケーゲル+ライプツィヒ放送響 管弦楽名曲集1』
【曲目】
(1)ヨハン・シュトラウス2世: 喜歌劇「こうもり」序曲
(2)ヨハン・シュトラウス2世: ワルツ「美しく青きドナウ」
(3)ヨゼフ・シュトラウス: ワルツ「うわごと」
(4)ヨハン・シュトラウス1世: ラデツキー行進曲
(5)ウェーバー(ベルリオーズ編):「舞踏への勧誘」
(6)ウェーバー: 歌劇「オベロン」序曲
(7)スメタナ: 交響詩「モルダウ」
【演奏】
ヘルベルト・ケーゲル(指揮)
ライプツィヒ放送交響楽団
【録音】
(1)-(3)1969年2月4日ライヴ
(4)(5)1973年9月4日ライヴ
(6)1975年9月2日ライヴ
(7)1968年5月14日ライヴ