ゲルギエフがプロコフィエフ初期の問題作「賭博者」を再録音

これは凄い。映像と日本語字幕で真の理解が可能に!
ゲルギエフの統率力光る!プロコフィエフの「賭博者」
ロシア演劇を観るような心理描写と超過激音楽の洪水
日本語字幕付。
ゲルギエフがプロコフィエフ初期の問題作「賭博者」を再録音しました。
1996年のフィリップスCDから14年を経て、今回はブルーレイとDVDの映像、さらに日本語字幕付きと何から何までパワーアップしての発売です。
ゲルギエフはプロコフィエフ作品録音に情熱を示し、交響曲、協奏曲、オペラといずれも同曲の決定盤として燦然たる輝きを示しています。斬新でけれん味たっぷりながら、親しみやすさと不思議な明るさに満ちたプロコフィエフの音楽はまさにゲルギエフ向き。今回もマリインスキー・オペラで、主役のアレクセイ(ウラジーミル・ガルージン)、将軍(セルゲイ・アレクサーシキン)、侯爵(ニコライ・ガシーエフ)など主要キャストは同じ歌手が務めていますが、ますます芸がこなれ、すさまじい説得力です。
「賭博者」はプロコフィエフ24代半ばの1915年から17年にかけての作。当時マリインスキー劇場の指揮者だったアルバート・コーツの勧めで作曲、同劇場で初演される予定がロシア革命で中止。1927年に大改訂を施し、29年にブリュッセルで初演されました。「スキタイ組曲」やヴァイオリン協奏曲第1番、「束の間の幻影」などと同時期で、急進的な作風がうかがえます。オペラならではの美しいアリアや重唱はなく、奇矯な旋律と過激な音響に終始する典型的なロシア・アヴァンギャルド作品。
原作はドストエフスキーの中篇小説。プロコフィエフ自身が台本を手掛け、台詞が非常に多いのも特徴です。ドイツの架空の都市を舞台にルーレット賭博に人生を狂わされる人々が描かれますが、登場人物たちの邪悪さ、不道徳さは帝政ロシア末期の腐敗した社会そのもの。カジノを再現したステージで繰り広げられるルーレットが見もの。ジャントー監督の映像も巧みで、実際賭けに参加しているような臨場感。これに限らず、画像、日本語字幕があることの利点は非常に大きく、CD時代とは比べものにならぬ理解が可能となりました。
ゲルギエフの解釈も、前回を遥かに凌ぐ凄さ。ロシアの演劇を観るような充実感に満ち、登場人物たちの邪悪さ、弱さを露呈。プロコフィエフの音楽の過激さに圧倒させられ、オペラの概念を覆させられます。
【曲目】
プロコフィエフ: 歌劇「賭博者」Op.24(ドストエフスキー原作)
【演奏】
将軍: セルゲイ・アレクサーシキン(Bs)、
ポリーナ: タチヤナ・パヴロフスカヤ(Sop)、
アレクセイ: ウラジーミル・ガルージン(Ten)、
お婆様: ラリサ・ジャトコワ(Ms)、
侯爵: ニコライ・ガシーエフ(Ten)、
アストリー: アレクサンドル・ゲルガロフ(Br)、
ブランシュ: ナジェジダ・セルジュク(Ms)、
ニルスキー公: アンドレイ・ポポフ(Ten)、
ヴルマーヘルム男爵: オレグ・スィチェフ(Bs)、
ポタプーチ: アンドレイ・スペーホフ(Br)
ワレリー・ゲルギエフ(指揮)
マリインスキー劇場管、合唱団
演出: テムール・チヘイーゼ [ロシア語上演]
映像監督: ロラン・ジャントー
【収録】
2010年6月 マリインスキー劇場
【仕様、その他】
<Blu-ray Disc>
リージョンオール
1080i HD 16:9
PCM STEREO/ DTS 5.1
約123'
字幕:日露英仏独
<DVD>
リージョンフリー
NTSC 16:9
PCM STEREO/ 5.1
約123'
字幕:日露英仏独