ステンツル兄弟によるブラームス:ドイツ・レクイエム(4手のための編曲版)

[Ars Musici]より注目盤、リリース
知る人ぞ知る、ブラームス自身による編曲版
4手のピアノのための「ドイツ・レクイエム」
ピアノ・デュオ界の第一線で活躍するハンス=ペーター&フォルカー・ステンツル兄弟が、ブラームスの「ドイツ・レクイエム」の4手連弾版を収録した注目の新譜をリリース。
1869年、ライプツィヒで全曲初演を行った年にブラームス自身が手掛けた編曲版ですが、今なお殆ど取り上げられる機会に恵まれないだけに、ファン必聴のアルバムです。
これまで知られざる多くの連弾作品を世に伝播し、交響曲第4番の“4手版”を録音するなど、ブラームスの作品にも造詣深いデュオだけに期待も高まります。
「ドイツ・レクイエム」といえば、オーケストラと合唱が織りなすポリフォニックな響きが最大の魅力の一つ。ロンドン版として2台ピアノと合唱、ソロ歌唱の編成のものも知られています。しかし、ここで繰り広げられている清澄なピアノの音色だけが作り上げるハーモニーには、オーケストラと合唱では決して生み出すことのできない、絶美の透明感と幽玄さがあります。原曲の大編成ではぼやけてしまうコーラス・ラインの輪郭がくっきりと響き渡るのもピアノならでは。一つ一つ丁寧に展開されていくハーモニーの運びに、ブラームスが作品に込めたポリフォニックな響きの魅力がさらに際立って感じられます。20年以上にわたってアンサンブルを組んでいるステンツル兄弟の息の合ったアンサンブルはさすがの一言。「ドイツ・レクイエム」が持つ新たな魅力に気付かせてくれる注目の1枚に仕上がっています。
【曲目】
ブラームス:ドイツ・レクイエムop.45(4手のピアノのための編曲版)
【演奏】
ハンス=ペーター・ステンツル(Pf)、フォルカー・ステンツル(Pf)
【録音】
2011年10月19&20日