注目アイテム詳細

『もっと、音楽を聴こう』直枝政広(カーネーション)セレクション

掲載: 2011年11月18日 16:02

CARNATION_A

 
カーネーション:1983年12月 「耳鼻咽喉科」を前身に「カーネーション」結成。当時からのオリジナルメンバーは、直枝ひとり。 1984年 シングル「夜の煙突」(ナゴム)でレコードデビュー。以降、数度のメンバーチェンジを経ながら、時流に消費されることなく、数多くの傑作アルバムをリリース。練りに練られた楽曲、人生の哀楽を鋭く綴った歌詞、演奏力抜群のアンサンブル、圧倒的な歌唱、レコードジャンキーとしての博覧強記ぶりなど、その存在意義はあまりに大きい。2008年に結成25周年を迎え、2009年1月、ドラマー矢部浩志が脱退。メンバーは直枝政広(Vo.G)と大田譲(B)の2人となり、2009年11月にリリースした『Velvet Velvet』から2年、待望のアルバムも予定されている。

 

  新作についてコメント:メインのドラムスに張替智広、キーボードに渡辺シュンスケを迎えてのアナログ・レコーディングで、ぶっとくもポップな仕上がりです。タイトル曲「UTOPIA」はビートの効いたアッパーなポップ・チューン。サイケデリックなギターは山本精一さん、キュートなコーラスはTICAの武田カオリさんで、目映い光を感じる気持ちの良いサウンドになってます。大田譲がはじめてリード・ヴォーカルを担当した長谷川きよしのカヴァー「もうあきてしまった」とハミングを基本にした即興インスト曲「女川」ではサックスに梅津和時さんを迎え、詩と歌と心情を交差させつつ、究極のR&Bを極めるかたちになっています。「Electric Company」は皮肉な歌詞ですがユーモアはたっぷりめ。それがロックンロールなのだと思います。ダグ・サームやトニー・ジョー・ホワイト的なスワンプ・サウンドが聴きものです。「Turn」の詩情、そのサウンド・スケープも自信たっぷり。ムーンライダーズ武川さんのマジカルなプレイに浸って泣いてください。締めくくりには、夏の終わりに江ノ島で南相馬出身のブラウンノーズや特別ゲストのリクオくんとセッションしたファンキーな演奏の記録も収録してあります。
 この『UTOPIA』今年の半年分のサウンド・ドキュメンタリーだと思っています。カーネーションの今をぜひお楽しみください。ライヴも面白いですよ。ぜひ遊びに来てください。

 

直枝政広(カーネーション):『もっと、音楽を聴こう』セレクション

☆音楽へはまったキッカケの1枚

 

トッド・ラングレン『魔法使いは真実のスター』
1973年に出たアルバム。実験的な小さな曲や効果音が繋がっていて映像的な効果をあげていたし、SF的なトータル・アルバムっぽい仕上がりに惹かれた。シンセサイザーもびゅんびゅん飛ぶ一方で極めてキラキラとロマンティックだったり、悪ふざけしていたり。「一体何だこれは?」と驚いた。おかげでこれを機に音楽の中に潜む"不思議な何か"をしつこく追い求めるようになった。

 

直枝政広:震災後に心を支えてくれた5枚。そこから制作へ至る数ヶ月に親しんだもので、ぼくらのミニ・アルバム『UTOPIA』に精神的に直結している音楽。

 

ジョニ・ミッチェル『レディス・オブ・ザ・キャニオン』
3.11でダメージをくらい、傷ついた小動物のようにただひたすらこれを聴いて丸まって過ごした。おかげでこのアルバムはぼくの宝物になったし、新しいスタンダードになった。

 

マリアンヌ・フェイスフル『ホーシズ・アンド・ハイ・ヒールズ』
ジョニを数週間聴き続けた後にこれに移行。個性溢れる歌声、ダイナミックなプロダクションもあって自在に時を飛び越えてゆくような力強さを感じた。音楽の普遍性、さらに、いい曲って何だろうなどと考えた。

 

 

ウィルコ『ザ・ホール・ラヴ』
バンドの在り方の理想、その歩き方まで参考になる。今日のロックの道標とも言える。同世代だから感じるけれど、やはり音楽の捉え方の底は深い。アレンジは複雑だけど人の心をストレートにつつみこむセンスに感服。

 

ニック・ロウ『オールド・マジック』
先日も素晴らしい来日公演だったし、今脂がのってるなぁと感じさせるアルバム。この新譜は彼のキャリアでももっとも優れた一枚と言えそう。あまりに気持ちがいいので、ぼくは勝手に「保養地サウンド」と呼んでいる。ちなみに10数年前のニック来日時、オープニング・アクトを務めたことはちょっと自慢。

 

The Vespers『Tell You Mama』
夏の終わりのレコーディングに向かう車の中ではずっとこれだった。天使のような歌声。曲やサウンドはポップなんだけどしっかりとマウンテン・ミュージックを受け継いでいる。幻想の森の中という趣で最高。