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Sick Team楽曲ガイド――(1)

カテゴリ : スペシャル

掲載: 2014年03月05日 17:59

更新: 2014年03月05日 17:59

ソース: bounce 364号(2014年2月25日発行)



多種多様なリミキサーの名前が並ぶ 『Sick Team II』ではあるが、DJデズ、ロック・マルシアーノのように世界的なビッグネームのみならず、USでも知る人ぞ知る新進の有望株や、マニアックな名前も並んでいる。では、各々はどのような関係性から起用されたのか? どういった経緯で生まれた楽曲なのか? そんな数々の謎を紐解くべく、今作の人選を行い、作品をまとめたBudaMunkと、リミキサーとして参加した16FLIPに集まってもらい、対話形式で曲解説を行ってもらった。



1. My Shit(Al B. Smoov Remix)



BudaMunk「アルB・スムーヴは、最初はプラネット・エイジア“EggNog & Hennessy”のビデオを見て知って。ギビーって奴とかとクリスマスに出したやつ。Twiterでフォローしたら、フォローしてくれてて。それで、去年LAに行ってデリシャス・ヴァイナルのイヴェントに出演した時に、チェックしてくれてて、ギビーと会場に遊びに来てくれて、それから繋がって、家に遊びに行っていっしょにビート作ったり曲録ったりしてたんだけど、今回リミックスを頼んだらやってくれることになって」
16FLIP「このリミックス、原曲に比べてBPMが遅くなってるんだけど、グルーヴがネバッとしてておもしろい」
BudaMunk「あと、アルB・スムーヴはウォーム・ブルーのビートとかもやってるから、これからアメリカでもさらに注目が集まるビートメイカーだと思う。ギビーとかヒュー・オーガスティンとか、シンガーのアリマ・エデラとか、アルB周りのダーティ・レジェンズってクルーにはかっこいい奴がいっぱいいるんで、チェックしてほしいね」



2. Turn it Up feat. Evidence(16FLIP Remix)



16FLIP「このビートには、エヴィデンスがすげー合うだろうなって思って。こういうビートに乗せたいって。自分的にはフレッシュで良かったです」
BudaMunk「フレッシュだね。いままでにあんまりないビートだと思う。昔のダイレイテッド・ピープルズとかLAのアンダーグラウンドっぽさも、俺はちょっと感じるね」 16FLIP「Sick Teamのリミックスの話をもらった時に……2年前くらいかな。けっこう早いタイミングだったと思うけど、自分からこの曲をやりたいって言って、速攻で作ったっすね」



3. 空がクライ(新曲)



16FLIP「これもだけど、Budaくんのトラック、ファーストの『Sick Team』の時からまた変わってきてると思うっすね」
BudaMunk「新曲のなかではいちばんアンダーグラウンド感があるっていうか、渋い感じ。雨の音じゃないんだけど、たまたま入っていたノイズが雨の音に聴こえるから、3人でビートを選んだ時に、雨が降ってる設定になって。自分ではそういうつもりで作ってなかったけど、実際にそう思いながら聴いてみたら、確かに雨の音になってて(笑)。それは自分でもおもしろかった」
16FLIP「この曲はドラムも新鮮な気がするっすね」



4. Killin It Feat. OYG(Joe Styles Remix)



BudaMunk「ジョーは基本MCって感じだけど、今回はビートメイカーとして参加してもらって。俺がビートを作り出した時には、ジョーはもうビート作ってて、いろいろ学んだこともあるし、お互い影響され合って現在のスタイルを築き上げてきたパートナーでもあるんで、スタイルは似てるところもあると思う」
16FLIP「ジョーとBudaくんのビートの感じ、すげー近いっていうのも、なんかわかるっすね」
BudaMunk「ジョーは最近デリシャス・ヴァイナルの人たちといっしょに動くようになって。ライヴとかもデリシャス・ヴァイナルのイヴェントでよくやってるし、ホストMCみたいなこともやってる。あとはひたすらレコーディングしてる(笑)。ジョーのビートは俺のに似てる部分もあるけど、黒人特有っていうか、俺には出せないノリがあってそれがすごいヤバい。今回は、俺が後からシンセを乗せて、さらにもともとOYGをフィーチャーしてた曲だから、LAで活動していたKeenTokersが揃ったっていう意味でも、個人的には嬉しい」



5. Special(Matic Remix)



BudaMunk「マティックって奴は、もともと俺のLAのクルー=Soul Jugglerzにいるレイドロウって奴の友達で。ジョーがいまレコーディングをしているのがマティックのスタジオっていう関係。エンジニアをしてるんだけどビートも作ってて、それがまたヤバくて今回頼むことにした。『Sick Team II』のなかでも特に気に入ってる一曲だね」
16FLIP「俺もビート集を聴かせてもらったんだけど、送ってきてたビートが全部かっこよかったっすもんね。この曲もグルーヴがハンパない。ドラムの入ってくる感じとか」
BudaMunk「ジョーがこないだ出した、『Goodbye Darkness Hello Light』っていうアルバムも、俺とマティックで半分ずつプロデュースしてるから、聴いてみてほしい」
16FLIP「あれはチェックしたほうがいい、絶対」
BudaMunk「マティックのクルーOne4thの動きも要チェック」



6. OKINA(新曲)



BudaMunk「ライヴで盛り上がる曲を作ろうって話をして。フックの感じもそうだし、ドラムもスウィングしてるし跳ねてる感じ」
16FLIP「これも新しいBudaくんのノリっていうか、音の鳴りも変わってるし、これで首振れなかったら……ツラいっすよね(笑)」



7. Ill Spittas feat. Illa J(Mr. Brady Remix)



BudaMunk「Mrブラディは、めっちゃ昔からファンで。昔アンダーグラウンドのヒップホップが盛り上がってる時に、バトル・アックスっていうレーベルからリリースして、活躍をしていたアーティスト。その前にもすでに活動してたし、その後も、こないだブルー&エグザイルといっしょに来日して、エグザイルともダグ・サヴェージってグループを組んでいるジョハスとディープ・ルーテッドってグループで活動してたり。最近はソロでプロデュースやMCとして活躍してる。昔っからヤバいけど、いまはスタイルも進化させてさらにヤバくなってるっていう貴重な存在。いまだに現役っすね。キャリアが長いのに、最先端のスタイルにもしっかりついてきてるっていうのは、やっぱりすごい」
16FLIP「MEDとやってる曲もヤバいっすね。MCの時の声のトーンとかハンパない(笑)」
BudaMunk「すげーボソボソしたラップで」
16FLIP「あれはビックリする」



8. Sick Team(Khrysis Remix)



16FLIP「今回参加してるビートメイカー全員に言えることなんだけど、鳴りがかっこいいっすよね」
BudaMunk「クライシスは、最初ブート・キャンプ・クリックとかリトル・ブラザーのビートで知って。チェックしたら9thワンダーのジャスタス・リーグに所属しているビートメイカーで」
16FLIP「クライシスも9thワンダーと兄弟みたいに似てるとこもあれば、それぞれでやっぱり違うとこもあってアガる。両方かっこいいと思う」
BudaMunk「ファミリー感だよね。近いスタイルなんだけど、それぞれのスタイルがちゃんとあるっていう。ジャスタス・リーグ以降もラプソディとかヘイローって奴とか、9thワンダーのファミリーはどんどんデカくなってるもんな。AMPってプロデューサーもかっこいい」



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