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ロバート・グラスパー - interview

掲載: 2013年11月19日 10:00

ソース: intoxicate vol.106(2013年10月10日発行号)

interview&text:編集部



ブルーノートレコードの近年の成功は、ノラ・ジョーンズのポップスやロバート・グラスパーのR&Bアルバムによって成し遂げられた。その甲斐あってジャズ売り場ではジャズアーティストの名を冠したR&Bやカントリーのアルバムがたくさん売れている。そもそもジャズの老舗だから、リリースするのはジャズだけだすなんてことはない。R&Bだってリリースするのだ。

しかし、当の本人たちはどう聞かれたいのだろう。今回、昨年発売の『ブラック・レディオ』がR&B部門でグラミー賞を受賞し、その続編『ブラック・レディオ2』をリリースするロバート・グラスパーに聞いてみた。

「ブラック・レディオ1,2でやっていることは、ジャズとはまったく関係ないよ。僕自身もジャズよりR&Bアーティストとしてのキャリアのほうが長いし、それに僕のジャズの経験はたかがしれている(と彼は思っている)。ジャズにはジャズ固有のスキルや知識が求められ、ポップスだって演奏するにはそれ相当の修練をつまないとね(彼はDisciplineと言った)。ポップスを演奏するときは、ジャズのことをすっかり忘れる必要があるくらいにこの二つは違う。例えば今回、スティーヴィー・ワンダーの曲をカヴァーしたけど、コードを少しいじってよりエモーショナルな感じにした。オリジナルはファンキーだけど、悲しい感じが欲しかった。彼の曲はどれも完璧すぎるだろ。曲を忠実に演奏しているという以上にならないよね。だから解釈を施すわけだけど、ジャズっぽくしたわけじゃない、この曲をジャムるためにいじったわけじゃない」

彼にとってこの二つの音楽はまったく異なる背景をもつ独自のジャンルだ。今回、曲終わりにステーメントが鏤められているのにはブラックカルチャーの歴史にコミットするメディア/場所としてブラック・ラジオをあらためてアピールしておきたかったからだ。

「ブラック・レディオは、才能あるアーティストやクリエイティヴなアートのショーケースだ。前回のブラック・ラジオでは、アルバムリリース後にリミックスをやって、才能あるプロデューサーを紹介するということをやった。今回は作家、詩人、あるいはジャーナリストとして優秀な才能を紹介した。狙いとしては、聴き手は唄を聞いてはいるけれど、言葉を聞いてはいない。そこで同じようなMessageのスピーチをコラージュしてみた。前作は自分でしゃべってみたんだけど、今回はもっとそういうことに長けた人たちに委ねてみた」

ブラック・ラジオは様々な世代のクリエイターとの交流を深め、新しい才能をプロデュースする場所なのだ。かつてのウィントン・マルサリスたちヤングライオンズに比べれば、ジャンルの壁もなく、随分と開かれた場所のようだ。「ジャズがR&Bになり、R&Bがジャズになる」その揺らぎの魔法がイリュージョンを生み出し、その幻聴がジャズを救うのなら、それもありに決まっている。



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