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身も心もダンスする10枚——Selected by 土田真弓

カテゴリ : スペシャル

掲載: 2013年01月30日 17:57

更新: 2013年01月30日 17:57

文/土田真弓



身も心もダンスする10枚——Selected by 土田真弓



No.1 BREAKBOT 『By Your Side』 Ed Banger/Because

No.2 LONE 『Galaxy Garden』 R&S

No.3 ITAL TEK 『Nebula Dance』 Planet Mu

No.4 Idiot Pop 『EXWORLD』 Idiot Pop

No.5 (((さらうんど))) 『(((さらうんど)))』 KAKUBARHYTHM

No.6 LINDSTROM 『Smalhans』 Feedelity/Smalltown Supersound

No.7 People In The Box 『Ave Material』 クラウン

No.8 GOATBED 『HELLBLAU』 ランティス

No.9 JAM CITY 『Classical Curves』 Night Slugs

No.10 ORBITAL 『Wonky』 Orbital



No.1〜10について

選盤のテーマ、〈80s、90s的なナントカ〉のほうがしっくりくるとは思うんですが……もう少し細かくキーワードを設定すれば、ディスコ、デトロイト・テクノ、渋谷系、あたりになるんですけども……まあ自分の絶対的な嗜好と、2012年らしさ(ここ数年の潮流とも言えますね)がクロスオーヴァーした作品群ですね、これは。とはいえ、ある1枚を入れたいがためにここでは上記のようなぼんやりした括りにしています。

キーワード順で進めますが、まずは、あのギター・カッティングが! ベースラインが! シンセの音色が! ……と一聴して驚喜した、80sフレイヴァーのディスコ・ファンクを聴かせてくれたのがブレイクボットと(((さらうんど)))。2012年のムードのなかではシティー・ポップとしても機能していましたね。

あとは、リンドストロムのグイグイと天井知らずにアゲていくプログレッシヴなディスコ・ハウスも良かったです。2012年は2枚アルバムをリリースしてますが、個人的には2枚目のほうが好きかなぁ。

デトロイト色が感じられたものなら、いきなり射抜かれたのはローン。パーカッシヴ・テクノにまず弱い、という個人的なアレがありつつ、シンセの音色からビートの質感から90sムード満載でときめきました〜。そして、とてつもなくロマンティック!

ローンはそこにジューク入りだったりしますが、その流れならアイタル・テックやジャム・シティも。〈なんじゃこりゃビート〉にアガるジャム・シティは最近ようやく日本盤が出て買い直しましたが、ボーナストラックたちのなんじゃこりゃ感も笑えるほど素敵だったので、これから聴く人は日本盤の購入をオススメします。

そして、GOATBEDも括りとしてはここでしょうか。ビートの質感はこのあたり、ウワモノとしてはもうちょっと遡ってクラウト・ロック的。無機質な幾何学サウンドには否が応にも身体が動きます。あと90sと言えば、オービタルはもう出ないと思っていた新作を出してくれた、という点で狂信的に入れております。

最後に渋谷系の系譜もの(?)では、2012年の邦楽でもっとも聴き倒したであろうIdiot Pop。これは2012年式のHCFDM(古い?)なのかな、とか思ったり。異様なまでの躁状態をもたらすダンス・ポップにすっかりやられてしまいました。楽曲に仕込まれたごちゃっとしたコラージュ感覚も渋谷系を思わせる手法ですよね。そういう意味では、多くの80s曲を着想点とした(((さらうんど)))も渋谷系的、と言えそうです。

で、ここまできて残ったのがPeople In The Box。話の流れをぶった切りますが、これを入れたいがためにテーマを〈身も心もダンスする〉にしてます。なにぶん、リード・トラックのタイトルが“ダンス、ダンス、ダンス”なので!

過去に書いたいくつかのレヴューでも言っていますが、私は音楽を聴くときに歌詞をほとんど読まないんですね(もちろん、取材したり原稿を書いたりする場合は別です)。それでも耳に飛び込んでくる言葉があったときに初めて歌詞を目にするんですが、その〈ふいを衝いて飛び込んできた言葉〉にいちばん驚きつつ、グッときたのがこのアルバムでした。楽器のフレージング、音響、メロディーラインとのアンサンブル込みで、2012年の日本語ロック作品を一枚選ぶとしたらこれです。特に“みんな春を売った”のサビ、“さようなら、こんにちは”の大サビは何度聴いてもドキッとします。

ここで挙げた10枚に関しては、エモーショナルに語ろうとすると果てしないので、これぐらいで。というか十分長いですね。ダラダラと失礼しました〜。



 

 

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