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SHUT UP AND DANCE!――外部ライターによってエアロは輝き続ける!

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2012年10月17日 18:00

更新: 2012年10月17日 18:00

ソース: bounce 349号(2012年10月25日発行)

文/出嶌コージー

 

なぜ『Permanent Vacation』(87年)以降のエアロスミスが二度と沈没することなく、グラマラスな現役感を保ち続けることができているのか。11年ぶりのオリジナル作『Music From Another Dimension!』はメンバー自作曲の比重を増してはいるものの、クレジットに並ぶ名前を見ると、やはりブレーンとなった職業作家たちの存在が〈エアロらしさ〉を演出する要であったことも改めて実感させられる。

まず、『Permanent Vacation』でのテコ入れに寄与したのが、全米No.1の“Heaven”を筆頭とするブライアン・アダムスのブレイク期に全曲を共作したカナダの大物、ジム・ヴァランスだ。現在は引退しているが、新作の先行シングルとして91年に共作した“Legendary Child”が持ち出されるあたり、彼の手腕がエアロの根本的な魅力を引き出すのに貢献したことは明白だろう。

そんなジムに対し、彼らに新たな表情を提案したのがデズモンド・チャイルド。言うまでもなくボン・ジョヴィやリッキー・マーティンの世界的ブレイクを演出した彼は、ドラマティックな“Angel”でエアロのイメージを更新し、以降もソウルフルな“Crazy”など、リフよりも歌ありきな名曲を多数共作した。で、そうして拓かれたスティーヴンのバラディアー路線を最大限に拡張したのがダイアン・ウォーレンだ。セリーヌ・ディオンを頂点に導き、“I Don't Want To Miss A Thing”の同年にはブランディ“Have You Ever?”でも全米No.1を獲得するなど90年代を席巻した彼女は、新作でも“We All Fall Down”を書いている。

そして近年のエアロに欠かせない参謀といえば鍵盤奏者のマーティ・フレデリクセンだろう。共同プロデューサーに抜擢された『Just Push Play』の翌年にフェイス・ヒル“Cry”でグラミーを受賞した彼は、現在ではドートリーやジェイムズ・ダービンら〈エアロ育ち〉の信頼も集めるビッグネームだ。こう振り返ると、時代性と普遍性のバランスを取るべく王者が外部の客観的な視点を活用してきたこともよくわかるじゃないか。

 

▼関連盤を紹介。

左上から、ブライアン・アダムスの83年作『Cuts Like A Knife』(A&M)、ボン・ジョヴィの86年作『Slippery When Wet』(Mercury)、ブランディの98年作『Never Say Never』(Atlantic)、フェイス・ヒルの2002年作『Cry』(Warner Bros.)、ドートリーの2011年作『Break The Spell』(19/RCA)、ジェイムズ・ダービンの2011年作『Memories Of A Beautiful Disaster』(Wind-Up)

 

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