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特集

THE ORIGIN OF BEAUTIFUL DARKNESS――センセーショナルなデビュー~ブレイクの背景に流れるゴスの系譜

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2012年09月19日 18:01

更新: 2012年09月19日 18:01

ソース: bounce 348号(2012年9月25日発行)

文/土田真弓



BUCK-TICK(以下、B-T)がメジャー進出した87年は、ちょうどバンド・ブームの波がうねりはじめた頃。同期にはユニコーンやLA-PPISCH、ブルーハーツ、DEAD ENDら個性の強い面々が揃っており、現在もカリスマ的な存在感を放っている。そんな群雄割拠の状況のなかで、B-Tが支持を得た理由——それは、ゴスの系譜にあたるサウンドをポピュラー・ミュージックとして日本のメインストリームに持ち込んだことが大きいだろう。

ゴシック・ロックとB-Tの関係を考える時の糸口となるのは、地元・群馬の近しい先輩バンドであるBOOWY。スタイリッシュなスーツ+逆立てたヘアスタイルによるファッション性と、強烈な縦ノリを誘引するビート・ロックは初期B-Tにも通じる要素だが、加えてBOOWYの布袋寅泰と高橋まことは、やがてB-Tが傾倒していったダークウェイヴ志向と通じるAUTO-MODのメンバーも兼ねていた。バウハウスに触発され同バンドを結成したGENETは、日本におけるポジティヴ・パンク界の中心人物で、ヤガミと親交が深い。B-Tが彼らの直接的な影響下にあるかは不明だが、一時は盛り上がりを見せたものの、80年代中盤に地上へ浮上することなくほぼ消滅状態となった同シーンのムード——ゴスやポジティヴ・パンクが孕んでいた〈退廃的な翳り〉は、その後世に送り出されるすべてのB-T作品のなかに注ぎ込まれている。

その数年後、表舞台に登場したB-Tは91年作『TABOO』でオリコン1位を獲得。闇を秘めたサウンドは、〈エッジーで格好良いもの〉のひとつとしてお茶の間に流れたのである。

 

▼関連作品を紹介。

左から、2010年にリイシューされたAUTO-MODのライヴ盤『REQUIEM(滅びゆく時代へのレクイエム)』(SUPER FUJI)、BOOWYの86年作『BEAT EMOTION』(EMI Music Japan)、BUCK-TICKが参加した2009年の上田現のトリビュート盤『Sirius~Tribute to UEDA GEN~』(ビクター)、DEAD ENDの2012年作『DREAM DEMON ANALYZER』(motored)

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