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いま、アイドルを聴こう!

カテゴリ : スペシャル

掲載: 2011年08月03日 17:59

更新: 2011年08月03日 18:46

ソース: bounce 334号 (2011年7月25日発行)

構成・文/編集部

 

「日本のアイドルも盛り上がってるね」

「タワレコがレーベルを設立して、キャンペーンも始まっています」

「実際に良い作品も多いから、いわゆるアイドル・ファンじゃなくても、おもしろい音楽が好きならスルーできないでしょ」

「BUBKA誌を中心に〈アイドル戦国時代〉なんて形容も定着しました。頂点にいるAKB48の勢いが昨年以上に凄いですから、いろいろな人に光が当たりやすくなっているのかもしれませんね」

「とはいえ、数年前のほうが群雄割拠してる感じはあったんじゃないかな。少なくとも地下アイドルとか地方アイドルみたいな流れはずっと続いてたわけだし、質が高いものもコンスタントに出てたはずだから」

「amUとか凄まじかったですよね」

「もったいなかった。あと、いまの流れでアレなのは、大人数グループが増えて似たタイプの曲が多くなった点かな。個々の〈らしさ〉も見えづらいというか……」

「要求が多いですね。それは現場に行かないからじゃないですか? 好きなキャラを自分で探して応援するのが本来的なアイドル・ファンの楽しみ方だとも思います」

「それはそうだけど……せっかく音楽で勝負するなら耳だけで自然とキャラが見えるものが増えてほしい。聴き手を制限する必要はないし、その意味でモーニング娘。は凄かったといまさらながら思うね」

「その意味ではももいろクローバーZが耳を惹く理由もわかりますね」

「ただ、どうしても演者がティーンだったりするから、脊髄反射で偏見を持つ人もいて当然ではあるよね。このページも本当は特に興味がない人のために作ってるつもりなんだけど」

「コアな人向けの情報でもありませんし。悩ましいところです」

「ファイヴ・ステアステップスを聴いても変態扱いされないのにさ」

「それはそうでしょう」

「いやいや、キュービー君は2~3歳だし! もちろんヴィジュアルが不要なわけないけど、それによって聴く人も変わる」

「外見で興味を持つ人と、外見があるからこそ聴かない人もいるっていう」

「でも生理的に判断されるのは仕方ない部分もあるけど、ロクに聴きもせずに〈でも、アイドルでしょ?〉みたいな感じの〈音楽ファン〉はあちこちにいるからね。〈ああアイドルという現象を定点観測してるんですねわかります〉みたいな奴とかさ」

「アイドルとアーティストを対立要素に捉えるのって、世代的なものもありますかね。どっちも共存し得る要素ですけど」

「じゃあ、アイドルって何?って話だよね。ボブ・マーリーでも2パックでもいいけど、本当は受け手の側が勝手にキャッチして支持するものだし。でも、確かに世代が下になるほど、アイドル的なものにあらかじめ衒いのない人は多いからおもしろいよ。ももクロを最初に聴いたのもtofubeatsのエディットだったし、Cherry Brownもそうだよね。だからアイドルだけじゃなく、中途半端な偏見で凝り固まってたら、本当に格好良くておもしろい音楽を見逃す可能性があるぞ~ということです」

「その話をすると例によって毎度のボヤキになるので、そのへんにしましょう」

「そうだね。まあ、自分が聴くぶんには気楽に楽しんでるだけだし、それを紹介していくだけだね」

「次号からはアイドル連載も始まるそうですしね?」

「そうそう。本当はこの号からやる予定だったけど、ピース久保田先生と〈どこからどこまでアイドルなんだ?〉論争が折り合わなくて」

「それこそオッサンの居酒屋ロック談義みたいですけど……」

 

▼関連盤を紹介。

左から、Not yetの最新シングル“波乗りかき氷”(コロムビア)、NMB48のデビュー・シングル“絶滅黒髪少女”(YOSHIMOTO R and C)、tengal6のデビュー・ミニ・アルバム『まちがう』(Releaserush)、Milky Bunnyのデビュー・シングル“Bunny Days”(ポニーキャニオン)

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