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DISCOGRAPHIC of rei harakami

カテゴリ : スペシャル

掲載: 2011年07月30日 00:43

更新: 2011年07月30日 00:43

文/土田真弓

 

『unrest』Sublime(2005)

98年に発表され、幻と化していた初作にボーナス・トラックを加えた再発盤。ヴァリエーション豊かなリズムが躍動する本作は、彼の作品のなかでは比較的にテクノ色が強め(未発表曲=ベッドルーム仕様のドラムンベース“after bonus”も激クール!!)。harakami印の〈音色〉もすでに確立されており、デビュー作ながら記名性が異様に高い一枚だ。

 

『opa*q』Sublime(2005)

『unrest』同様、ボーナス・トラックを追加して再発された2作目(初出は99年)。アンビエントに徹する楽曲もあるが、プログレやカンタベリー系ジャズ・ロックをテクノ文脈で再構築したかのような、アグレッシヴ&エキセントリックなトラックの応酬にひたすら悶絶。イアン・オブライエンやマックス404によるリミックスも心拍数が上がる仕上がり!

 

『red curb』Sublime(2001)

世界的な評価を決定づけた3作目。アルバムの表題曲も含め、ピアノやアコースティック・ギター主体の楽曲が増加した本作では、生音と電子音がオーガニックに溶け合い、このうえなく優美なメロディーを紡ぐ。よりベッドルームに特化したジェントルな音世界ながら、たおやかに花開いた叙情性の狭間には、実験精神に溢れた彼の横顔が浮かび上がる。

 

『trace of red curb(レッドカーブの思い出)』Sublime(2001)

『red curb』の楽曲を自身がリアレンジした3曲と異能の電子音楽家たちによるリミックス、そして新曲から成る編集盤。エレクトロニカの金字塔から派生したパラレル・ワールドを堪能できる本作だが、なかでも深遠なアンビエント宇宙が広がる大野松雄(鉄腕アトムの音響技師)の“put off and other”は圧巻! 当時70歳にしてこの先鋭性って……。

 

『lust』Sublime(2005)

4枚目のオリジナル作だが、前作から4年の間にくるり“ばらの花”のリミックスやUA“閃光”のプロデュースをはじめとした外仕事でJ-Popフィールドにもその名を浸透。そんな状況にも納得の本作は、しなやかでラジカルな独自性をよりポップに磨き抜いた傑作だ。細野晴臣“owari no kisetsu”の電子版はっぴいえんど風カヴァーではヴォーカルも初披露。

 

『わすれもの』Sublime(2006)

ドラマティックな新曲“にじぞう”で始まり、89年に4トラックのMTRで制作したという“さようなら”で終わる本作は、未発表曲を通じてこの7年の彼の歴史を辿ることができる編集盤。伸縮自在の電子音が軽やかに踊る個性的な楽曲が並ぶが、harakami製であるというひとつの共通項だけでアルバムとしての統一感が生まれているところが凄い!

 

『天然コケッコー』Sublime(2007)

田舎で暮らす少年少女の日常を描いたくらもちふさこの名作コミックが映画化され、劇中音楽をharakamiが担当。透明度の高いスコアに耳を傾けると、聴き手の意識はいつのまにか遠い記憶の底へ。アトモスフェリックな電子音が揺らめくなか、どこか懐かしい原風景が淡く像を結ぶ――そんなリリカルな音世界に恍惚感を覚えずにはいられない一枚だ。

 

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