全曲解説(2)――『NANO-MUGEN COMPILATION 2011』 Disc-2
01.モーモールルギャバン“コンタクト”
ファンクとパンクを合わせたような無軌道かつグルーヴィーな演奏のなかに、ホロリとさせるメロディーを覗かせる憎いヤツら。昨年の〈NANO-MUGEN CIRCUIT〉にも出演した、京都拠点の破天荒トリオが今年も登場。横浜アリーナでもパンツが飛ぶのか? *岡村
02. NADA SURF“Mustang”
〈ポスト・ウィーザー〉として日本でも熱心なファンを抱えるこのNYの3人組が、2009年の〈NANO-MUGEN〉で初来日が実現したことは記憶に新しい。後藤らの働きかけで昨年にはカヴァー集も日本で発売されるなど、固い友情によって今年も参戦決定。*岡村
03. ねごと“透き通る衝動”
〈閃光ライオット2008〉で注目を浴び、2010年デビュー以降はアジカンのレーベルメイトに。洋楽のオルタナ感とJ-Popの王道感を併せ持ち、ピアノと歌を担当する蒼山幸子の凛とした歌声と存在感を中心に、ガールズ・バンドらしからぬ骨太な演奏力で快進撃中の4人組は、今年〈NANO-MUGEN〉に初参加。*宮本
04. オオルタイチ“Venus”
後藤らが幅広い感覚を持ったリスナーであることがわかる今年いちばんフレッシュな出演者は、この大阪出身のオオルタイチだろう。ブライトでキラキラした音像ながらフュージョンから民族音楽までを採り込んだ独自のサウンドは、洗練された現代最高のポップス。*岡村
05. PHONAT“Ghetto Burnin’”
ヤング・パンクスのアルバムにプロデューサーとしても参加していたイタリア出身のDJ/クリエイター。柔軟な感覚が既に海外では高く評価され、日本でも米TVドラマ〈24〉のイメージ・ソングに使用。その型破りなビートで踊りたい。*岡村
06. The Rentals with Masafumi Gotoh“A Rose Is A Rose (Nano-Mugen Remix)”
ウィーザー~レンタルズのマット・シャープもいまや後藤の親友の一人。昨年のトリビュート・アルバムでは後藤とのコラボで新曲を披露するなど、交流の深さを伝えてくれた。新作を引っ提げた今回のステージはアコースティック・セットだが、共演が期待される。*岡村
07. ストレイテナー“CLARITY (STOUT ver.)”
〈NANO-MUGEN〉には2003年のスタート時からほぼ皆勤賞で、それがそのままメジャー・デビュー以降の時間と重なるという、アジカンの盟友にして〈NANO-MUGEN〉の裏番バンド。セルフ・カヴァーの前作『STOUT』で過去を清算した後、8月の新作『ストレイテナー』で新境地をめざす。*宮本
08. WEEZER“Memories”
もはや説明不要のロック・アイコンが遂に登場。エピタフ移籍第1弾作『Hurley』からのシングルでもあるこの曲は、映画主題歌としても大ヒット。アジカンにもっとも影響を与えたバンドの一つとして貫禄とユーモアたっぷりの演奏を見せてくれるはず。*岡村
09. THE YOUNG PUNX!“Sugar Candy Super Nova”
2009年に続いての出場が決定した3人組。エレクトロ、パンク、ヒップホップなどをガツガツと消化しつつも、どこか人を食ったような洒脱な雰囲気を讃える様子はいかにもロンドン仕込み。最新作収録のこのディスコ・チューンで踊りまくれ。*岡村
10. ASIAN KUNG-FU GENERATION“ひかり”
歌詞というよりはゴッチの告白に近い。そんな、〈3月11日の衝撃〉を包み隠さず描いた歌詞があまりにリアルで、悲しくも美しく胸を打つ。ギターのディレイを活かした穏やかな音色から、力強いうねりを持つバンド・サウンドの高みへ、徐々に目の前が開けてゆく展開が素晴しい。*宮本