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特集

ON THE RIGHT TRACK――(2)

 

10. SHARON JONES & THE DAP-KINGS 『I Learned The Hard Way』 Daptone(2010)

ブッカーTの新作にも招かれたシャロン嬢を擁するバンドの最新作。ヴィンテージや何やらという言葉が交わされるずっと前から同じことをやり続けてきた腕の立つ連中だが、ここではややスウィートな方向に振り向きながらも芯の太さをアピールしている。*出嶌

11. DENNIS COFFEY 『Dennis Coffey』 Strut(2011)

ブッカーT・ジョーンズの新作にも参加している伝説級ヴェテラン・ギタリストの5年ぶりとなる新作。メイヤー・ホーソーンやキングス・ゴー・フォースなどの若手を引き連れ、自身が関わったウィルソン・ピケットやファンカデリックなどのクラシックスを70年代感覚のまま再構築する、ファンキー&サイケな痛快ギター・アルバム。*池谷

12. BEN L'ONCLE SOUL 『Ben L'Oncle Soul』 Motown France(2010)

ホーカス・ポーカスとも共演していたフランス産ソウルマンの痛快作。趣味人に終わらない趣味の良さでモータウンもハイもスタックスも均等に呑み込む、凝ったサウンドのセンスや気持ち良さげな歌いっぷりがいい。心から楽しんでる様子は聴き手にも伝わるはず。*出嶌

13. THE BAWDIES 『LIVE THE LIFE I LOVE』 Getting Better(2011)

ロックンロールは本来ブルース~リズム&ブルースをルーツに持つ黒人音楽であり……みたいな御託を並べるまでもなく、見た目もイケてる日本の若者たちがそれを音楽自体で完璧に証明して、しかも人気を博している事実は痛快すぎる! メジャー3作目でもそのスタンスを貫き、邦楽界に燦然と黒光りする彼らは頼もしすぎます。*池谷

14. BILAL 『Airtight's Revenge』 Plug Reserch(2010)

ネオ・ソウルのホープと目されつつもそこに留まらない気鋭のシンガーとして鮮烈なデビューを飾ったビラル。この2作目までに9年もの歳月を経たが、型破りな音楽性はさらに増強。ジャズやロックに加え、プリンス、80s、Pファンク、コズミックといったキーワードが似合う音楽性は、ラディカルで奔放かつとても人間臭い。*池谷

15. SEU JORGE AND ALMAZ 『Seu Jorge And Almaz』 Now-Again(2010)

みんな大好きなセウ兄さんが手練の面々を従え、意表をつくソウル/ファンク他のナンバーを披露したカヴァー・アルバム。ロイ・エアーズからジョルジ・ベン、マイケル・ジャクソンまで、例のダブ演出もほんのり絡めながらパーカッシヴな鳴りを効果的に聴かせる。*出嶌

16. RYAN SHAW 『It Gets Better』 Form/45/Go!(2010)

〈メンフィス・ソウルの正統後継者〉とも呼ばれたNYのシンガーによる2作目。強靭なノドを直球のリズム&ブルース~ソウルで震わせる痛快歌バカ盤で、NY録音によるカラリと快活なリズム隊の演奏も上々だし、ラストでエディ・フロイド“Knock On Wood”を熱く歌いきって終わる全10曲の構成もスカッとできて最高! *池谷

17. CHARLES BRADLEY 『No Time For Dreaming』 Daptone(2011)

苦節ン十年、62歳でダップトーンからアルバム・デビューを果たした超遅咲きのシンガー。JBへの憧れも窺わせる塩辛く泥臭い歌声を、メナハン・ストリート・バンドが紡ぐ60sファンク調のサウンド上で炸裂させるという時代錯誤感は、夢を諦めなかった彼の信念と受け取りたい。ディープ・ファンク流行りが生んだロウな一枚。*林

18. THE BAMBOOS 『4』 Tru Thoughts(2010)

中心人物であるラヌのプロジェクト作も良いが、ジャズ・ファンクというよりソウル集団と呼びたい佇まいに変貌した本隊の作品も、持ち前のタイトさ以上に生々しい柔軟性を獲得してきている。カイリー嬢の歌を中心にリリックス・ボーンも参加し、まだまだ好ましい進化は続きそう。*出嶌

 

カテゴリ : スペシャル

掲載: 2011年06月01日 17:59

ソース: bounce 332号 (2011年5月25日発行)

ディスクガイド/池谷昌之、出嶌孝次、林 剛

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