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特集

温かい春の風に乗って……唄う男たち――(2)

カテゴリ : スペシャル

掲載: 2011年05月11日 18:00

ソース: bounce 331号 (2011年4月25日発行)

文/岡村詩野、加藤直子、北爪啓之

 

Rake 『all you need is...』 ARIOLA JAPAN(2010)

 仙台出身のRakeの初作。事務所の先輩であるMonkey MajikやMr.Children、秦基博を思わせるサウンド(顔はケンタロウに近い)で、全体にポジティヴなヴァイブが漲った、活き活きとしたナンバー揃いだ。どこまでも届け!と言わんばかりに伸びやかな歌声は、そんな陽性パワーの原動力に。*加藤

曽我部恵一 『PINK』 ROSE(2011)

ソロ活動10周年という区切りを迎えての新作。とにかく全編がテンダーで煌びやか、かつメロウなポップネスに貫かれている。ソカベ節としか言いようのない、艶気と男気を同等に孕んだ歌唱もいつにも増して饒舌で、これはサニーデイ・サービス時代を含めても、もっとも芳醇な祝祭感に満ちた好盤じゃなかろうか。*北爪

福岡史朗 『朝のステーキ』 ginjin(2010)

90年代にはグリーディ・グリーンを率いていた福岡。その後はソロに転じていたが、マーク・リーボーも参加したこちらの最新作は、キャリア最高とも思える一枚だ。オーソドックスなフォーク・スタイルなのにモダンに仕上げられているのも、長年の経験がここにきて活きているということなのかも。*岡村

suzumoku 『ベランダの煙草』 apart.(2011)

PE'Zとの合体ユニット、pe'zumokuでの活動も話題となった新世代フォークの旗手。聴き手の心に小細工なしのド直球で投げ込まれる力強いヴォーカルは、胸がすくほど清々しく頼もしい。情けなくカッコ悪い状況のなかで、それでもスクッと前を向いた歌詞の魅力は、この最新作で存分に堪能できる。*北爪

長谷川健一 『震える牙、震える水』 Pヴァイン(2010)

凛とした風情の内に、震えるようにセンシティヴな感性を秘めた歌声と、夜の薄闇を思わせる幽玄なフォーク・サウンドで京都のインディー・シーンでもひときわ特異な存在感を放つシンガー。本作では、石橋英子らによるストイックな演奏によって、彼の比類なき歌唱がより鮮烈に照らし出されている。*北爪

踊ろうマチルダ 『故郷の空』 matilda rabel(2010)

奇妙な名前だが、〈放浪の旅をする〉という意味が込められた、元Nancy Whiskeyの釣部修宏によるソロ・ユニット。一聴忘れ難いのはその強烈極まりないヴォーカルで、驚くほどひしゃげて野太く、粗削りとすら言えるスモーキー・ヴォイスなのだが、奥底から無骨な優しさと慈しみがこんこんと溢れ出ているのだ。ハウリン・ウルフやトム・ウェイツ、シェーン・マクガワンの系譜に連なる、日本では稀有なタイプのシンガーである。猥雑な無国籍風サウンドのなかに旅愁と哀愁を忍ばせた2009年のミニ・アルバム『夜の支配者』に続いて、この最新作では過去の自身の楽曲をアコギとアコーディオンの弾き語りという簡素なスタイルで再演し、ブルージーな男の心情を吐き出す。コンスタントに素晴らしい作品を上梓しているぞ。*北爪

 

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