DISCOGRAPHIC TETSUYA KOMURO
小室哲哉を知るための5枚
小室哲哉 『TK BEST SELECTION IN EPIC DAYS』 ソニー
オリジナル作は廃盤が多いので、このコーナーでは変則的に編集盤のみを紹介しておこう。今回のソロ新作に合わせてコンパイルされた本作は、初作『Digitalian is eating breakfast』からのピックアップを中心とするソロ・ナンバーをまとめた編集盤だ。シンクラヴィアの音色をテストするデモ曲のようなダンス・ビートの“RUNNING TO HORIZON”や“GRAVITY OF LOVE”から、提供曲のセルフ・カヴァー、さらにはXのYOSHIKIと組んだV2名義での“背徳の瞳~Eyes of Venus~”までが網羅されている。同時期にマドンナとの仕事で名を馳せていたシェップ・ペティボーンのリミックスも聴きモノだ。
TM NETWORK 『THE SINGLES ONE』 ソニー
デビュー・シングルの“金曜日のライオン”(84年)から“SEVEN DAYS WAR”(88年)までのシングルをまとめた初期ベスト盤。フュージョンっぽいというか、シティーポップ然とした雰囲気も感じさせる序盤から、徐々に弾力のあるニューロマ的なダンス・ビート主体のアレンジになっていき、さらにはそこに肉体性までもが加味されていく過程がよくわかる。J-Popの前身としての日本のリアル80sはこれ。
TM NETWORK 『THE SINGLES TWO』 ソニー
性急なPWLタッチに生まれ変わった“Get Wild '89”をはじめ、88~94年のシングルがまとめられた一枚。TMNに改称後の“TIME TO COUNT DOWN”や“RHYTHM RED BEAT BLACK”にはハードな先鋭性を狙ったフシもあるが、『EXPO』期に入るとふたたび親しみやすいメロディーに旋回していっている様子がわかる。それぞれの旅立ちを告げる〈終了〉直前のミッド“Nights of The Knife”が素晴らしい。
globe 『15YEARS -BEST HIT SELECTION-』 avex globe
オリジナル作はほぼ入手困難状態なので、この15周年記念ベストをとりあえず推薦。KEIKOがストレートに歌い上げている初期のヒット群から、徐々にロッキッシュなエモーションを前面に出していく実験期の曲もそれぞれ良いが、耳馴染みの良いメロディーがアッパーなビートに合ったトランス時代の楽曲も評価されるべきだろう。復活シングルとして2008年に出る予定だった“Get Wild”なども初披露。
小室哲哉 『TK INSTRUMENTAL WORKS SELECTION 1985-2003』 ソニー
表題の通り、インスト曲のみを集めた編集盤。85年の「吸血鬼ハンターD」を皮切りに、「ぼくらの七日間戦争」「天と地と」「二十歳の約束」といった映画やTVドラマのスコアは壮麗なオーケストラ演奏が中心。一方、後々のアンビエント・ワークスにも繋がるニューエイジ調の“WINTER DANCE”や、フュージョン・マナーで跳ねたビートを聴かせる“South Beach Walk”は興味深い仕上がりだろう。
OTHERDISCOGRAPHIC
SPEEDWAY
『BASE AREA』(1980)
TM NETWORK/TMN
『RAINBOW RAINBOW』(1984)
『CHILDHOOD'S END』(1985)
『GORILLA』(1986)
『Self Control』(1987)
『humansystem』(1987)
『CAROL ~A DAY IN A GIRL'S LIFE 1991~』(1988)
『RHYTHM RED』(1990)
『EXPO』(1991)
『Major Turn-Round』(2000)
『NETWORK TM -Easy Listening-』(2004)
『SPEEDWAY』(2007)
TETSUYA KOMURO
『Digitalian is eating breakfast』(1989)
『Hit Factory』(1992)
『Digitalian is eating breakfast 2』(2011)
EUROGROOVE
『EUROGROOVE 01』(1994)
『EUROGROOVE 02』(1994)
『EUROGROOVE 03』(1995)
『EUROGROOVE 04』(1995)
globe
『globe』(1996)
『FACES PLACES』(1997)
『Love again』(1998)
『Relation』(1998)
『outernet』(2001)
『Lights』(2002)
『Lights2』(2002)
『LEVEL 4』(2003)
『globe2 pop/rock』(2005)
『maniac』(2006)
Kiss Destination
『TRUE KiSS DESTiNATiON』(1999)
『GRAVITY』(1999)
『AMARETTO』(2001)
GABALL
『REPRESENT 01』(2001)
『UPGRADED』(2002)
DJ TK
『Cream Of J-POP~ウタイツグウタ~』(2007)