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特集

岡本太郎──明るいペシミスト

カテゴリ : Exotic Grammar

掲載: 2011年02月19日 18:33

更新: 2011年02月19日 19:00

ソース: intoxicate vol.90 (2011年2月20日発行)

text:南博(ジャズピアニスト)

岡本太郎! 彼の存在は僕の中で燦然と輝いている。これからも輝き続けるだろう。岡本太郎氏について書くことはこれで終わりだ。だから、この後の文章は、ほんの戯れ言として読んでもらえれば本望だ。なぜ戯れ言かと言えば、岡本太郎氏自身、言葉においても〈芸術〉していたからである。もう既に、僕の発する言葉を必要としない世界が確立している。だからといってここで文章を終えるわけにはゆかぬ。僕も物書きのハシクレである。そう、まず言えることは、岡本太郎氏は、自らを厳しく律しながら、日本人を評し励まし、日本国自体をも評し励ました。沖縄の文化をいち早く見直し、縄文土器に世間の耳目を集めたのも、彼の言葉の芸術があったからこそである。これは天才にしかできない。さらに、彼の言葉の芸術で、日本文化に変革さえ起こすことができたのである。これらの例を挙げていけばきりがない。岡本太郎氏の言葉の力だけでも、このようなパワーがあるのだから、その本人が描き創造した絵画、彫刻、建築など全てにおいて、彼は第一級の日本人であった。肩を並べられるのは、白州次郎ぐらいだろう。僕がうつ病で苦しんでいた時期、どんな本よりも、どんな哲学書よりも、僕の心のど真ん中に響く言葉を送ってくれたのは、岡本太郎氏の言葉であった。

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