HIP HOP――(1)
GUCCI MANE 『The State vs. Radric Davis』 1017 Brick Squad/Asylum
無数のストリート・ワークや客演で名を売ったグッチが満を持して放ったブツ。注目度の高さに比例するように強力な面々がサポートし、パーティー・アンセム“Wasted”などのヒットだけでなくワカ・フロッカ・フレイムという新星も生んだ。*升本
RICK ROSS 『Teflon Don』 Maybach Music/Slip N Slide/Def Jam
2010年を大いに沸かせてくれたロスの放った痛快盤。数々のアンサーを生んだストリート・クラシック“B.M.F.(Blowin' Money Fast)”やジェイ・Zらとの“Free Mason”、例のシリーズ第3弾“Maybach Music III”など話題曲多数。*升本
TRINA 『Amazin'』 Slip N Slide
元カレのリル・ウェインに後継者的なニッキー・ミナージュら錚々たる面々を従えた最強女性ラッパーのアルバムは、これまでのバッデスト・ビッチなキャラにセレブなイメージもミックス。“That's My Attitude”や“My Bitches”など、パンチの効いた女王様スタイルも変わらず健在だった。*升本
LIL WAYNE 『Rebirth』 Young Money/Cash Money/Universal
収監直前に出したロック・アルバム。ヒップホップ・プロッパー筋からの評価は芳しくなかったが、クロスオーヴァー上等な現行アーバン・シーンのムードを象徴する作品だ。“Prom Queen”などから垣間見られるウィージーのロック観に萌えた! *高橋
BIG BOI 『Sir Lucious Left Foot: The Son Of Chico Dusty』 Purple Ribbon/Def Jam
ジャネル・モネイ共々ダンジョン・ファミリー/パープル・リボン勢がいまもなお南部のカッティング・エッジであることを証明したヘヴィーなファンク大作。カニエやドレイクの新作と並んでタイム誌の年間ベストに選出! *高橋
LUDACRIS 『Battle Of The Sexes』 DTP/Def Jam
シリアス路線の前作はガラじゃなかったとばかりに本来のナスティー+ファニーなスタイルに立ち返ったら、6年ぶりに全米ポップ/R&Bの両チャートを制覇! TOP10ヒット“How Low”はもちろん、ニッキー・ミナージュの勢いを加速させた“My Chick Bad”も重要曲。*高橋
LIL JON 『Crunk Rock』 Universal Republic
ロックとの融合に早くから目を付けていた彼のクランクmeetsロック盤。とはいえ現行シーンの旨みを凝縮した毎度ながらのクランク系やらブーツィー系が中心で、ワカ・フロッカ・フレイムやピットブルら新世代のパーティー・ロッカー連中を招くフットワークの軽さも見事。*升本
CLIPSE 『Til The Casket Drops』 Re-Up Gang/Columbia
初めてネプチューンズ以外のビートも採用した意欲作。そんななか最大の収穫となったのがDJカリル制作の“Kinda Like A Big Deal”で、ここでのカニエ・ウェストとの共演は後のプッシャーTのG.O.O.D.入り~クラシック“Runaway”の誕生を誘発することに。*高橋
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