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MGMTらNY勢の作った流れが世界中に拡散!

カテゴリ : スペシャル

掲載: 2011年01月12日 18:01

更新: 2011年01月12日 18:14

ソース: bounce 328号 (2010年12月25日発行)

文/柴田かずえ

 

MGMTがデビューした2008年を境に、ロック・シーンの流れが大きく変わった。2003年頃から続出したニューウェイヴ・リヴァイヴァル勢がニューウェイヴ・バンドの鳴らすサウンド(=ロック)を継承していたのに対し、MGMT以降は〈ロックじゃないことをやろう〉というニューウェイヴの考え方そのものを継承する傾向が強まってきたことがいちばんの違いだと思っている……って、いきなり話が逸れたが、MGMTやパッション・ピットらブルックリンのアーティストが自由な感性のもとに生み出した、スカスカでドリーミーなサイケ・ポップは2010年も引き続き有効で……という話。

ただし、2008~2009年のまま止まっているかといえば、さもあらず。2010年の目立った動きとして、LA勢の躍進が挙げられるだろう。特にベスト・コーストやウェイヴス、モーニング・ベンダースを筆頭に、陽性のメロディーや和気藹々としたコーラス、ビーチでのあれこれをしたためた歌詞から〈現代版のビーチ・ボーイズ〉なんて言われるバンドが続出し(その背景にガールズの『Album』があることも忘れちゃいけない)、太陽の光が燦々と降り注ぐ同地らしいサウンドで楽しませてくれた。そんなLA勢とシンクロする形で、フロリダのドラムス、ボルティモアのビーチ・ハウス、メンフィスのマジック・キッズ、UKのサマー・キャンプらが日本でも人気を集めることに。

一方ブルックリンはというと、ここでもちょっとした異変が。これまでは都会的で尖ってて、ちょっぴり近付きにくい感じ(って曖昧な形容の連発でスミマセン)の音が人気を集めていたが、リズムワークをよりシンプルにし、代わりにメロディーを聴かせることに重点を置くものが目立ってきた印象。その最たる例が、スクール・オブ・セヴン・ベルズとダーウィン・ディーズだ。彼らの作品はNY産とは思えないちょっぴりいなたい音を聴かせてくれ、そこからLA勢と似た大らかさを感じたりも。総じて、シーン全体のムードはLAに引っ張られるように、ケミカルからオーガニックなものへと移行した。

そんな流れのなか、モデュラーからソロ作も発表したジョナサン・ブーレ擁するパレーズやタイム・インパラ、マイアミ・ホラーズなどオーストラリア組も勢力を盛り返している。オージー特有のほっこりとしたサイケ・ポップはUSやUKでもウケており、そして、ここへきてリトル・レッドの日本デビューだ。彼らに吹く物凄い追い風を感じない?

 

▼関連盤を紹介。

左から、ベスト・コースト『Crazy For You』(Mexican Summer)、ウェイヴス『King Of The Beach』(Fat Possum)、モーニング・ベンダース『Big Echo』(Rough Trade)、マジック・キッズ『Memphis』(True Panther/Matador)、スクール・オブ・セヴン・ベルズ『Disconnect From Desire』(Vagrant)、ダーウィン・ディーズ『Darwin Deez』(Lucky Number)、ジョナサン・ブーレ『Jonathan Boulet』(Modular)

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