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特集

耳で聴いたピープル・トゥリー――(1)

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2011年01月05日 18:00

ソース: bounce 328号 (2010年12月25日発行)

文/岡村詩野、加藤直子、金子厚武

 

ゆらゆら帝国をめぐる音楽の果実は、ここに一本のトゥリーを生んだ

 

1  CAPTAIN BEEFHEART & HIS MAGIC BAND 『Shiny Beast(Bat Chain Puller)』 Warner Bros.(1978)

ジャズ、ブルース、サイケなどに深く根差しながらも、そこに絡み取られない自由自在な発想でロックの可能性を広げてきた奇才中の奇才。どこか飄々としていて掴みどころのない雰囲気なのは坂本慎太郎っぽくもある。そんな坂本はかつて、このバンドの音を聴いて開眼したという主旨の発言をしていたことも。*岡村

2  Stoned Green Apples 『Will You Marry Me?』 クルーエル(2009)

坂本による初のリミックス仕事となった“Sugar K”を収録。彼のギターが印象深いディープなハウス・トラックになっていて、かなりクールな仕上がり。これを聴けば、ゆら帝が海外ではDFA(傘下のレーベル)からリリースしているのも納得と言えるだろう。こっち方面の曲ももっと聴いてみたかった……。*金子

3  ANIMAL COLLECTIVE 『Merriweather Post Pavillion』 Domino(2009)

ゆら帝に通じる最近の海外のバンドと言えば、やはりブルックリンのサイケデリックな面々ということになるだろうか。その代表格であるアニマル・コレクティヴとは2008年の来日時に対バンを果たし、2000年代の日米2大サイケ・バンドによる夢の共演となった。去年はヨ・ラ・テンゴとも共演してたね。*金子

4  コーネリアス 『FANTASMA』 トラットリア/ワーナー(1997)

メジャー・デビュー作『3×3×3』を小山田圭吾が絶賛したこともきっかけとなってゆら帝がブレイクしたと言われ、坂本もその影響力を認めている。対バン・ライヴも行うなど交流の深かった両者は、評論家筋から絶大な信頼を集めると共に、2000年代に入って海外での評価も徐々に高めるなど、共通点も多かった。*金子

5  THE CARPENTERS 『Now & Then』 A&M(1973)

ベスト盤『1998-2004』では、本作に収録された“Yesterday Once More”をカヴァー。簡素なリズムだけのスカスカなアレンジによって原曲の爽やかなイメージを消し去り、坂本によるオリジナルの日本語詞と子供のコーラスが、楽曲本来の切なさやノスタルジーを引き立てる、何ともゆら帝らしい仕上がりとなった。*金子

6  asa×CUBE c.u.g.p 『捕食 -hoshoku-』 Jar-Beat(2010)

解散前より、いちろう名義でソロ活動をしていた柴田一郎。その当初からトラックメイカー/Jar-Beatのオーナーであるasaとの縁は深く、97年には彼とO.N.O(THA BLUE HERB)とでshigamというユニットを結成している。そのasaが福岡のMCと組んで制作した本作では、柴田がリミキサーとして参加。*加藤

7  ママギタァ 『IN MAMGUITAR STYLE』 CAPTAIN TRIP(2000)

現在ライヴ活動は休止中ながら、メンバーのJunが〈めまい〉に収録された“バンドをやってる友達”でヴォーカルを担当するなどコンスタントに交流のある女性3人組。ロネッツ~シャグスなどを彷彿とさせるノスタルジックで愛らしくパンチの効いた歌の数々は、坂本のガールズ・ポップ好きを象徴する存在でもある。*岡村

8  YOUNG PARISIAN 『ヤングパリジャンその華麗なる世界』 TIME BOMB(2006)

坂本が作詞/作曲を手掛けた“YOUNG PARISIAN NO THEME”を収録。グリッターなグラム・ロック・バンドである彼ららしいブギーのテイストを残しつつも、賑やかなパーティーの裏側にある哀愁を感じさせ、実に沁みる名曲だ。裏声と地声を組み合わせたヴォーカルもバッチリ曲にマッチしている。*金子

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