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特集

DISCOGRAPHIC YURA YURA TEIKOKU

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2011年01月05日 18:00

ソース: bounce 328号 (2010年12月25日発行)

文/ダイサク・ジョビン

 

ゆらゆら帝国を知るための10枚

 

『Are You ra?』 CAPTAIN TRIP(1996)

重たい足取りでもたつくリズム+おどろおどろしくてメランコリックな歌、という活動初期のものから、シンプルかつワイルドでヘヴィーなガレージ/サイケデリック・ロックを基調とするスタイルへの移行期に録音された4作目。感情がこもった歌声&青春文学的な歌詞が眩しい。

『3×3×3』 ミディ(1998)

歯切れの良いタイトでラフなバンド演奏による、ドライヴィンな爆音ロックンロールが詰まった作品。60sガレージ/サイケデリック・サウンドと昭和40年代の匂いをかすかに纏うメロディー、哲学と漫画が夢のなかでゴッチャになったユニークな歌詞の融合がとにかく痛快だった。

『ミーのカー』 ミディ(1999)

ワイルドな爆音ガレージ・ロックからメランコリックな美メロ曲、歪んだギターが大暴れするハード・ロッキンなナンバーまで、ロック・バンドとしてのポテンシャルを見せつける極濃な内容だ。25分を超える表題曲は、幽体離脱(≒トリップ)必至のサイケデリック名曲。

『太陽の白い粉』 ミディ(1999)

女性コーラスを効果的に配した瑞々しく爽やかな表題曲から始まる5曲入りミニ・アルバム。変則リズムを用いたヘヴィーなナンバーや、ペラッペラの薄口サウンドで素っ頓狂なロックを披露するなど、轟音ファズ・ギターでブッ飛ばすだけではない引き出しの多さを示した。

『ゆらゆら帝国III』 ミディ(2001)

スッキリとまとまった鉄壁のアレンジに力強くキャッチーなメロディーのナンバーが並んだ〈ヒット・シングル集〉的な一枚。グラマラスでキラキラとした超現実的なポップ感覚だけでなく王道感すら漂わせる出来栄えが、逆に変態的で不気味さを覚えるところも彼らならではの味。

『ゆらゆら帝国のしびれ』 ミディ(2003)

シンセや謎のノイズなどによるリズムが無機質に刻まれるスッカスカの空間に、無感情な歌と無表情な女性コーラス、得体の知れないエフェクト音が浮遊する、非(ロック・)バンド的なアプローチの問題作。暗黒の無重力世界を無抵抗に飛行しているような、奇妙な感覚に陥る。

『ゆらゆら帝国のめまい』 ミディ(2003)

女性&子供に歌わせたり、オーケストラや鉄琴、オルガン、ピアノなども導入して〈楽曲の完成度〉を最優先した一枚。メランコリックで儚く切ない静かな歌たちは、泣き崩れたくなるような深い哀しみと諦念の境地における安堵感とを同時に喚起させる、芸術的な美しさを湛える。

『Sweet Spot』 ソニー(2005)

ワンフレーズを繰り返すスカスカな構成の曲が並ぶ、モノクロでニヒリスティックな世界観の作品。とはいえ、隠し味的に挿入されるヘンな効果音やイビツなリズム、スッとぼけたメロディー、乾いた笑いを誘う歌詞によって、微妙な可笑しさを醸し出すユーモア感覚は絶妙。

『空洞です』 ソニー(2007)

人工的で白々しく甘ったるいムードのなか、ミニマルなリズムとギター・リフのトレモロ波による不気味でへタレな攻撃を執拗に受け続けることで無力感&空虚感だけが募る、ある意味過激な内容。時折挿入されるムーディーでスウィートなホーンも空虚感をさらに増大させるだけ。

『REMIX 2005-2008』 ソニー(2008)

『Sweet Spot』~『空洞です』収録曲のセルフ・リミックス集だが、パーツを新たに演奏し直したりしているので別ヴァージョン集という側面も。電子音が前面に出てミニマルなループで構築されたテクノ的アプローチながら、過剰なエフェクト処理の変態性/特異性は彼らならでは。

 

OTHERDISCOGRAPHIC

ALBUM
『ゆらゆら帝国』(1992)
『ゆらゆら帝国 II』(1994)
『LIVE』[Live](1995)
『な・ま・し・び・れ・な・ま・め・ま・い』[Live](2003)
『1998-2004』
(2004)

 

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