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特集

bounceが選ぶ2010年の50枚――No.1~5

カテゴリ : スペシャル

掲載: 2010年12月22日 17:59

更新: 2011年01月05日 18:32

ソース: bounce 328号 (2010年12月25日発行)

ディスクガイド/出嶌孝次、加藤直子、山西絵美

 

No.1――KANYE WEST

 

 

KANYE WEST 『My Beautiful Dark Twisted Fantasy』 Roc-A-Fella/Def Jam

VMAを観てそこで初披露となる“Runaway”の何とも言えない不思議な美しさに打たれたままで、別になくてもいい週刊の配信とかもあって、ジャケにまつわるあれこれも別におもしろくなくて、こういう話が好きな人もいるよなと思いつつ、そうこうしてるうちにアルバムまで一気に辿り着いて、聴いてみたら一発で好きになったわけじゃない。けど、どことなく心に引っかかるものがあって、ユニークなサンプリングのセンスに関しては昔の彼に戻った部分もあるのかもと思わされたり、よくわからないけどそれだけじゃない絶対的な新しさと新しい気品のようなものがその上に被さっていて、つかみどころがあるのかないのか、聴いたまんまなのかそれじゃダメなのか、感想文を簡潔に書いてみようとすれば、何か言い足りない気がしてもう一言もう一言と付け加えたくなるような。芸術家が自分の世界の奥底に降りていってまた昇ってきたら妙にふてぶてしくなってるというか、モンスター化してるというか、無意識に暴君ぶりを発揮してカディやドレイクらが開拓した畑で勝手に収穫してしまってる様子が凄いというか、もうそれすらキャラとして受け入れられてしまったのだからここからの彼はもっと強くなるはずで、この先もどんどん楽しみになるけど、いずれにせよ、2010年はこれ。*出嶌

 

No.2――KE$HA

 

 

KE$HA 『Animal』 RCA

前年末から“Tik Tok”が大ヒットして、途中にアルバムをリリース、年末にはまたもビッグ・ヒット“We R Who We R”をブチかましてくれたわけで、2010年はほとんど丸ごと1年中、どこかに彼女の存在感がペタッと貼り付いていたような気さえしてくる。その間にはM.I.A.に批判されたり、いろいろあったようだが、何の衒いもなくトラッシュ上等なパーティー・サウンドをそのまま展開し、リパッケージ盤ではさらにラップを強化してくるのだから恐れ入った。下世話なアイデアを全開にした作風は前面肯定したい楽しさ、それゆえかおもしろいほどツウ受けしないのも何か非常に頼もしい。*出嶌

 

No.3――DRAKE

 

 

DRAKE 『Thank Me Later』 Young Money/Cash Money/Universal

物足りないという声があったのもよくわかるぐらい、のどごしはソフトでマイルド。でも、それがいい。ヤング・マネーの軍団アルバムや客演の時のほうがアクの強さや魅力がわかりやすくプレゼンされているようにも思うんだけど、ここでリッチに醸されるはかなげなメランコリーは他では味わえない。ドラマティックな“Over”などを上手く配した作りも聴きやすさを促進していて、楽曲単位じゃなくアルバムとして見れば、個人的には今年いちばん繰り返し聴いた作品かも。40の音作りにも感嘆。*出嶌

 

No.4――NICKI MINAJ

 

NICKI MINAJ 『Pink Friday』 Young Money/Cash Money/Universal

前年末のヤング・マネー作品に始まり、アッシャーやアギレラやグッチ・メインや……(略)の客演を経てこの初アルバムをドロップと、年間通して本当によく彼女の声を耳にしました。が、夢見がちな乙女を気取ってみたり、イカレ女を演じてみたり、キャラごとにラップ・スタイルを変えてくるんだもの(イントネーションも分けているそうですよ)、いまだその実体を掴むことはできず。そりゃリル・キム姐もビビッて(!?)ビーフを仕掛けますよ。原宿バービー? ロマン・ゾランスキー? ピンク・ポップ・モンスター? ニッキーさん、あなたはいったい何者なんですか? *山西

No.5――RUSKO

 

RUSKO 『O.M.G.!』 Mad Decent/Downtown

2007年に発表した“Cockney Thug”がダブステップ界隈で話題を集め、以降はキッド・シスターのプロデュースや各種リミックス仕事で名を馳せてきた人物。そんな彼がマッド・ディセントからソロ作をリリース!というだけでもだいぶ箔は付いていたが、そのうえほぼ同時期にM.I.A.『/\/\ /\ Y /\』の先行シングル“XXXO”を手掛けたとなれば……時代は彼の手の中だ。レゲエやグライム、UKガラージをアッパーでポピュラリティーのあるサウンドに仕立て、いわゆるダブステップのイメージを著しくハミ出した本作は、セグメントのなかに留まることを許さない逸品となった。〈フジロック〉での狂騒もインパクト大! *加藤

 

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