紅葉のソウル・リイシュー
今月はこちらでご紹介します。まずは、ジョン・レジェンド&ルーツにも勝るとも劣らないコラボ……ジミー・ラフィンが弟デヴィッド(元テンプテーションズ)とのタッグで発表した70年の名作『I Am My Brother's Keeper』(Motown/Hip-O Select)が世界初CD化です! シングル・ヒットしたベンE・キング“Stand By Me”を筆頭にデルフォニックスらのカヴァーが中心で、ボビー・テイラーらが歌唱からまろやかなエモーションを引き出し、別掲のケム作品に助力したデヴィッド・ヴァン・デピットもアレンジを手掛けていますよ。
同じモータウンものでは、スモーキー・ロビンソンのソロ作アーカイヴ・シリーズの第1弾として、73年作『Smokey』と74年作『Pure Smokey』をまとめた『The Solo Albums Volume 1』(Hip-O Select)も到着。ミラクルズを離脱してソロへと踏み出した最初の2枚で、自作自演を基盤にしつつゴフィン&キングの曲を取り上げたりする感じは時流の反映でしょう。“Baby Come Close”などのヒットはありつつ地味な時期ではありますが、あのソフトな舌触りはやはり格別であります。
お次は先日復刻済みのエイティーズ・レディーズにも名を連ねたシルヴィア・ストリップリンが81年に残した『Give Me Your Love』(Uno Melodic/Universal Sound)の再復刻! 無敵のダンス・クラシックと評される表題曲とネタ人気の高い“Tou Can't Turn Me Away”だけでも聴いてもらえれば、当時のロイ・エアーズならではの艶やかなグルーヴにハマってしまうはず!
そして最後はシェリル・リン。CBS/コロムビア時代のアルバム6枚がすべて紙ジャケでリイシューされていますね。もちろんどれも外せないのですが、スペースの都合上……ここでは82年の4作目『Instant Love』(Columbia/ソニー)と85年の6作目『It's Gonna Be Right』(Columbia/ソニー)のみ紹介しておきます。絶頂期のルーサー・ヴァンドロスが手掛けた麗しすぎるブラコン名盤の前者、駆け出しのジャム&ルイスが粋なアーバン・ムードをマイルドに演出した後者、いずれも最高です。推薦。
▼関連盤を紹介。
左から、ジミー&デヴィッド・ラフィンの70年作『I Am My Brother's Keeper』(Motown/Hip-O Select)、スモーキー・ロビンソンの編集盤『The Solo Albums Volume 1』(Hip-O Select)、シルヴィア・ストリップリンの81年作『Give Me Your Love』(Uno Melodic/Universal Sound)、シェリル・リンの82年作『Instant Love』、85年作『It's Gonna Be Right』(共にColumbia/ソニー)
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