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特集

LONG REVIEW――THE CHEMICAL BROTHERS 『Further』

掲載: 2010年06月02日 20:00

更新: 2010年06月02日 20:15

文/石田靖博

 

the chemical brothers_J170

ケミカル・ブラザーズ(以下ケミ兄)。もはやスタジアム・テクノというか、ロックの大物的存在な感じ。しかしダスト・ブラザーズ(以下ゴミ兄)時代から好きで、ファースト・アルバムを買いに発売日にレコ屋へ行き、〈このケミ兄って、ゴミ兄のこと?〉と思い、初来日のステージ(大阪はQUATTRO!)も鼻の穴全開で観に行ったテクノ警察(こちらの連載を参照)としては、ケミ兄はいつまでも気になる存在なのだ。それは、アルバムのリリース前にアナログ限定でリリースされるシリーズ〈Electronic Battle Weapon(ベスト・アルバム『Brotherhood』の初回限定盤でCD化)〉がいつもフロア殺しチューンで、あきらかにケミ兄の魂はまだフロアにあることを証明していたからだ。

そして久しく活動を休止していたケミ兄によるベスト盤を挟んで3年ぶりとなるこの新作だが、まずフィーチャリング・ヴォーカリストなし! そして導入部となる1曲目“Snow”以外全曲フロア仕様! ラストの“Wonders Of The Deep”こそ最近のネオ・サイケ路線的であるが、電子音中心のミニマルな構成を重ねて盛り上げる12分の壮大4つ打ちナンバー“Escape Belocity”、〈ネオ・サイケ?〉と思いきや浮遊感あるテック・ハウスに変貌する“Another World”、必殺ロッキン・ブレイクな“Dissolve”、タイトル通り馬のいななきが印象的なテクノ・トラック“Horse Power”、ややメランコリックなフレーズとケミカル的ブレイクビーツが絡む“Swoon”、お得意のネオ・サイケ調ながらしっかりグルーヴする“K+D+B”。そして、日本盤のボーナス・トラック“Don't Think”も無機質的ながら昂揚していくテック・チューンで良い! ……と、〈とにかくフロアで聴かせろ〉的な殺しチューンの波状攻撃! やはりケミ兄は信用できる兄貴たちだぜ!!

 

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