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INTERVIEW with 藤原基央(1)――“HAPPY”

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2010年04月21日 18:00

更新: 2010年04月21日 19:35

インタヴュー・文/長谷川誠

 

BUMP OF CHICKEN_A2

 

2週連続リリースとなったBUMP OF CHICKENのニュー・シングル“HAPPY”と“魔法の料理 ~君から君へ~”はバンドが新たなる次元へと突入していることを告げる素晴らしい作品に仕上がった。両A面シングルだった前作『R.I.P./Merry Christmas』にも共通することなのだが、より根源的、そして普遍的な作品なのだ。

まず“HAPPY”は、ギター・サウンド全開のミディアムテンポのロックンロールである。ファンキーかつグラマラスなテイストを持ったナンバーなのだが、彼らがやると、やはり独自の世界となっていく。

「元々、こういうギターが好きなんですよ。この曲はギターから構築していくという感じでした。最初はもっとシンプルなグラムロックだったんですが、バンドに持っていって、やっていくうちにどくどん濃くなっていった。このあたりはバンドでやってる強みでしょうね」(藤原基央、ヴォーカル/ギター:以下同)。

懐が深くて、奥行きのあるバンド・サウンドは彼らならではだろう。包容力のある歌声、人間味あふれるギター、そして強靱さとしなやかさが共存するグルーヴが魅力的だ。

「ギターの持っているグルーヴとドラムのグルーヴとはちょっと違ったものなんですが、それが出会うことによって、ああいう感じになった。間を取っているのがベースっていうふうに僕は解釈してます。このグルーヴを掴むのは大変だったみたいで、ドラムの升(秀夫)君がレコーディング・ブースとエンジニア・ブースを行ったり来たりして、試行錯誤しながら、やっていました」。

歌詞で印象的なのは、サビで歌われている〈Happy Birthday〉というフレーズだ。ただし、ただ単に誕生日を祝う歌というわけではないだろう。悲しみや痛みが存在する現実のなかで、人はどう生きていくべきなのか。たくさんの問いかけが存在する歌でもありそうだ。

「バースデイにハッピーって思ってなくても、みんな、〈ハッピー・バースデイ〉って、疑問も持たずに言うじゃないですか。きっと多くの人がそういう場面に出くわしているだろうし、言われたこともあるだろうし。自分もそうやってセットで覚えてきた。セットになってることに文句はないけど、どうしてなのかなって。そこを歌う必要があると思ったんですよ」。

人間の体温が伝わってくるサウンドと、内省的でありながら、強靱な意志が伝わってくる歌詞とが見事にマッチしている。

「この曲に限らずなんですが、最近、曲を書く時には詞先が多いんですよ。まず詞を書いて、その詞を見ながら、作っていく。そうすると、あきらかに言葉がサウンドを呼ぶ部分が出てくるという」。

 

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