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特集

すべてが極上のソウル空間……origamiの全CD作品を紹介! ――(1)

カテゴリ : スペシャル

掲載: 2010年03月31日 17:58

更新: 2010年03月31日 18:06

ソース: bounce 319号 (2010年3月25日発行)

ディスクガイド/池谷昌之、出嶌孝次

 

JAMNUTS『Nu Jam』 origami/EDOYA(2007)

実質的なorigamiの第1弾作品となる、R&B/ヒップホップ曲の現在進行的なカヴァー・プロジェクト。SWING-OやShingo Suzuki、渥美幸裕らをはじめ、元urbのメンバー、Hanah、さかいゆう、MARUら以降も何度となく手合わせする面々が一堂に会していた。ミュージック、アウトキャスト、ディアンジェロらの艶めかしい解釈が並ぶなか、やはりKeycoの歌うエリカ・バドゥ“Apple Tree”が絶品だ。*出嶌

thirdiq『monologue』 origami(2007)

レーベルとしてのorigami作品はここからがスタート。birdやアナンダ・プロジェクトのライヴ・ギタリストとして名を上げてきた渥美幸裕が、urbの菱山翔太らを迎えて生み出したファースト・アルバム。ほぼ即興で一発録りした音源をチョップするなど大胆に加工を施し、生々しさと人工的な精緻さを上手く同居させたチルアウト~アンビエント的な質感に仕上げている。時間の流れを描いたような音景色が美麗。*出嶌

45『Hello Friends』 origami(2008)

あのizanamiのメンバーとして活動した後、2006年のソロ作『遊女ASOBI~SEX SOUL TOKYO~』を経てSWING-Oがトラックメイカーとしてスタートさせたプロジェクトの初作。リール・ピープルやDJ KAWASAKIの楽曲で知られる歌姫タシータ・ドムールを迎えた“SEARCHIN”のほか、ステフ・ポケッツやさかいゆうを迎えたり、LARK CHILLOUTとの共作も収めたり、なかなか豪勢な仕上がりであります。*出嶌

Shingo Suzuki『The ABSTRACT TRUTH』 origami(2008)

ベースをはじめとする自身の楽器演奏をサンプリング・ソースにしてトラックメイクを行うという流儀を磨き、ファットなループに肉感的なニュアンスを持ち込んだファースト・アルバム。Ovallでも再会することになるニコラス・ライアン・ガントやホーカス・ポーカスの他、ロウ・バジェット界隈からウェイナとケン・スターも参加したインターナショナルな大作だ! *出嶌

mabanua『done already』 origami(2008)

ドラマーにしてトラックメイカー兼シンガーという、身ひとつで叩き出すグルーヴの深みに圧倒されるファースト・アルバムがこちら。弾力のあるビートメイクは流石の仕上がりだが、それ以外の演奏も含めて意匠を自己完結させるセンスと構成力も凄い。アレステッド・ディヴェロップメントのイーシー、元ジュラシック5のアキールも参加したグッド・ヴァイブなヒップホップ・アルバムだ。*出嶌

45『THE REVENGE OF SOUL』 origami(2009)

リヴェンジとは不穏当だが、よく考えるとこれはorigami全体によく似合うキャッチフレーズなのかも。フロアライクな側面をより強調した70年 代様式をベースにして陣容も前作とは趣を変え、ライアン・ショウやジミー・アブニーなど海外からのお客様が中心になっている。特にステファニー・マッケイ をフィーチャーした“I BELIEVE”が格好良い。A.Y.B.Forceから今回はBULLJUNもサポート。*出嶌

thirdiq『who may find love in the imaginary axis』 origami(2009)

前作以上の親しみやすさと抽象的なアンビエンスを同時に提示してきたセカンド・アルバム。Shingo Suzukiや類家心平のサポートも得ながら、静かな空間にゆったりと波を広げていくような渥美のギター・プレイも相変わらず素晴らしい。ローリン・ヒル “To Zion”を歌うのは前作にも参加していたMARUで、他にもHanahとさかいゆうが柔らかな歌声を添える。傑作。*出嶌

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